狗が身 さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
No one is perfect!
深夜枠ではあまり見かけないアニメーション的な作品、僕は結構好きなんですよね~。
本作は精神病を抱える人々の日常を面白おかしく描いていますが、決して軽んじてる訳じゃなくて、かといって重苦しい訳でもない。この絶妙なバランスが良いんです。
連続性の無いエピソード毎の主役達が、一つの世界の、それも身近なところにいる。これが最終話の「カナリア」によって、一つの大きなメッセージになってるんですよ。
主に扱ってる題材は精神病だけど、その中身は困ってる人に手を差し伸べよう、人それぞれ悩みや欠点はあるんだから、気にしすぎなくていいんだよという、非常に普遍的なメッセージが込められている。でもお説教くさくない。
最後まで観てみると患者が診察室に入る時にカナリアが飛んでいた意味が分かるし、そうすると伊良部先生の「いらっしゃ~い!」がすごく素敵な言葉なんだよね~。
「カナリア」はアニメオリジナルというか原作をかなりアレンジしたエピソードなのだそうだけど、このエピソードによって作品としてグッと深みが出たように思う。
注射によるシンボル化とか(これがまた、よく考えられてるんです)、実写による声優さんの顔の演技とか、映像的にも見所は盛りだくさんで、楽しくて優しい、中々飽きのきそうにない良作です。
さすが東映って感じですね。
見た目の毒々しさで食わず嫌いせず、試しにDVDの一巻だけでもレンタルで視聴してみてほしいです。