Derp さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
日常サバイバル
がっこうぐらしは、まず1話で日常モノに見せかけてポスト・アポカリプスだったというのを非常に巧みに構成していて、プロットも絵作りもインパクトを与えるに十分な内容でした。
しかし、一辺倒にゾンビから逃げて生き延びる過酷な内容ではなく、時に日常系アニメのような雰囲気を醸し出し、時に凄惨なサバイバルモノの様相を呈したりと、かなりユニークな作風でした。
メタ的に、日常4コマアニメのキャラクター達を過酷な場所に置いたら、あるいは辛い思いをさせたら、人間性を引き出したら、というようなコンセプトを感じました。
映像は非常に綺麗で、作画も良く、背景はディティールに富んでいます。
感染を食い止める薬あるの!?という驚きがありましたが、この作品はゾンビのパンデミックへの打開策を探し求めるタイプの内容ではないのでそのあたりは目を瞑るしかないでしょう。
サバイバルモノだけどわりと潤沢に食糧がある点から考えても、本作は「日常系サバイバル」という特殊なジャンルの作品で、そこに独特な魅力があるように思います。
彼女たちが置かれた状況やバックグラウンドが徐々にわかっていくストーリーの流れは良かったです。
最近のゾンビモノというと個人的にはドラマの「ウォーキング・デッド」が第一に挙げられるんですが、ウォーキング・デッドが評価されたのは、海外だとゾンビモノというとひたすらゾンビを銃でぶっ殺せとか、群衆大騒ぎみたいなのが多い中で、ゾンビがいる絶望的な世界の中で生き延びようとする人々の中で起こる人間関係やジレンマという部分に焦点を当てたからだと思います。
原作が登場した時期を考えると、多少なりともウォーキング・デッドに影響受けてるのかなという感じもありました。