インド人を右に さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
淡い色使いの綺麗な世界で紡がれる優しい物語
2005年(10年以上前…)の作品で、現在のアニメと比較すると流石に画の解像度は落ちます。
しかしながら、本作の舞台である「ネオ・ヴェネツィア」を描くその背景美術の美しさ・空気感は圧巻です。
昨今の写真トレスや3Dを使用した背景とは比較にならないほどに、"味"があります。
キャラ作画は、意外と(´=Д=`)みたいな簡略化された気の抜けた顔がしょっちゅう出るのですが、物語の大事なところではちゃんと良作画で決めてくれます。
むしろ、キャラの表情で物語の展開に合わせてのメリハリがシッカリできているともいえます。
吉田玲子さんの脚本によるストーリーはどの回も優しいお話で、EDが流れるころには目が潤んでいることも度々でした。
BGMおよび挿入歌の使い方が非常に上手く、これらの音楽を使うことでセリフのない"間"が自然に生まれ、またその"間"が効果的な演出になっていると感じました。(特に11話)
ネタバレは避けますが、最終話である人物がネオ・ヴェネツィアを訪れます。その人物はある意味では視聴者自身であり、まるで自分がネオ・ヴェネツィアを訪れているかのような感動をもたらしてくれます。