カンタダ さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
腑に落ちないところもあるが
概しておもしろい。さすがは森見登美彦作品といったところか。
不満なのがやはり父親を殺されながら、意外にあっさりとしているところだろう。仇討ちに血道を上げるでもなく、サラッと水に流してしまう。人間であれば復讐に捕われることもあろうが、ここはタヌキの阿呆の血のしからしむるところだろうか。
食に関しては、愛しているものを殺して食うことは、たとえ別種族でも無理だろう。当方は犬も鳥も飼ったことがあるが、食べたいと思ったことはない。愛していなからという理由では当然なく、愛しているから生きていてほしいと願うのが素直な人情だろう。
弁天の矢三郎を食べたいという思いは、観賞者には今ひとつ理解できないだろう。別種の動物だからという理由で死んでも気にならないのは、愛着がない証拠だろうし、矢一郎が鍋になって矢三郎は悲嘆に暮れるであろう姿を弁天が「痛くも痒くもない」と言い放つのは矛盾してはいないか。
なんともチグハグな人格だ。矢三郎にこれほど協力的な説明がつかない。しかしその矛盾が逆に魅力なのだろうか。個人的にはどうもしっくりこないのだが。
まあ二作目も始まったことだし、続けて楽しませてもらいたい。