伝説のししとう さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
はたして京アニでやる意味があるのか
最終話以外は概ね良かったと思います。
タイトルを見て、またしょーもない原作引っ張ってきたなと思ったのが正直なところですが、京アニ制作となれば視聴しないわけにはいきません。
惹かれたのは、主人公が20代のOLであること。OLと美少女という組み合わせは珍しいですよね。
テーマは人間とドラゴンの共存。双方の価値観や生き方の違いは京アニだけあって非常に丁寧に描写されていました。3話で登場したカンナが良い味を出していましたね。
OPは中毒性高い。fhanaさんの高音が気持ち良い。
ここからは個人的な意見になります。
{netabare}まず思ったのが、ルコアさんとエルマいらねーなーってこと。いらないというと語弊があるのですが、エルマは登場するのが遅すぎた。トール連れ戻すとか言っときながら、ずっとお菓子食ってるだけ。結局ちょろゴンだったっていうオチ。うん、いらない。
ルコアさんは、1話でトールが電話しているのを見て、ああ、そういう立ち位置のキャラなんだなと思ったらただの痴女。ぶっちゃけこの人いなかったら深夜帯じゃなくてもよかったよね。翔太君との絡みもワンパターンで面白くなかった。
後、現時点でトール、カンナ、ファフニール、ルコア、エルマが来ているわけだけど、こんなにやすやすとみんな来ちゃっていいのかね?
それから最終話について、まず、トールとトールの父がガチで戦闘しちゃった件。
これまでにも戦闘シーンは幾つかありましたが、それらはギャグだったからこそ成立していた部分だと思うのですよ。少なくとも私はそういう認識でした。
だから、え…マジで真剣勝負しちゃうんだ…と。ギャグとして受け止めていた部分をシリアスに持ってこられると、ギャグなのかシリアスなのかわからんのですよ。
そして、それに対する小林さんの反応も、結局は小林さんの価値観でしかないんだよね。小林さんはトールの父が間違っていると声を大にして言える立場ではない。ドラゴンには、ドラゴンのルールがある。トールの父からすると、異種族の人間が何をほざいとるんだとなるのは当然。
まあそれを言ってしまうと、この作品のテーマを真っ向から否定してしまうことになるのですが…
むしろ小林さんの人間味が出てて良かったという意見もわかります。でも、愛さえあれば関係ないよねみたいな、気合いで押し切ってしまう展開がどうも好きになれないのですよ。誤魔化された感が拭えない。
それからトールもトールで、なぜあそこまで小林さんにこだわるのか。命の恩人といえど、酒に酔った勢いで助けられた相手にそこまでするものなのか。12話でフォローをいれたつもりでしょうが、説得力のある理由が欲しかったですね。
まあグダグダ書きましたが、これがもし、実はトールの父もちょろごんでしたーっていうシリアスギャグなのだとしたら、京アニ恐るべし。{/netabare}
さて、タイトルにも書きましたが、本当にこの作品を京アニで制作する意味があったのでしょうか。
視聴者の大半はカンナたそ〜とか言ってるだけなんだろ、肝心なシリアスパートが不評なんじゃ、京アニでやる意味なくね?それなら動画工房とかにでも任しとけばいい。
原作がある作品としては、「響け!ユーフォニアム」でもうやりきった(完成させた)と感じているので、新たなステージに挑戦して欲しいなというのが正直なところ。
というのも、原作がある以上、どれだけ上手くアニメに合うように加工したとしても、やはり原作という障害はどうしても残ってしまう。
だから、京アニのオリジナルアニメが見たいなあと思っているのですが、どうなんですかね。脚本さえしっかりしていれば、京アニなら名作級の作品を制作することは十分可能でしょう。私が過剰評価しているだけかもしれませんが…
まあ、こういう作品も、箸休めとしてはいいのでしょうね。