怜太郎 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
一生記憶に残り続ける作品
感動系、恋愛系の作品は今までいろいろと見てきましたが、その中でも飛び抜けて印象に残った作品でした。僕はこの作品をきっと一生忘れることはないでしょう。
以下ストーリー概要です。
幼少期に起きた母親の死というトラウマによりピアノが弾けなくなった元天才ピアニストである主人公は、物静かで大人しく、少し人とのコミュニケーションが苦手な中学生です。そんな彼が運命的な出会いをしたのは、桜の舞う四月のある日のことでした。彼女は主人公の親友を好きなのだと言い、彼と同じく音楽家を夢見るバイオリニストの少女でした。
いつからか、使命感や義務感だけでピアノを続けていた主人公でしたが、少女との出会いをきっかけに、彼女の自由で楽しそうな音楽に触れ主人公は少しずつ音楽の楽しさを思い出していきます。
しかし一度根付いたトラウマはそう簡単に払拭することができず、音楽を楽しみたいという気持ちと、それに反する過去のトラウマとの葛藤に主人公は苦悩を強いられることとなります。
しかしそんな時、彼の心を救ってくれたのは、いつも天真爛漫な彼女の言葉でした。時には強引に引っ張り、時には励まし応援してくれる。少年は少しずつ、かつて自分を縛り続けていたトラウマに立ち向かって行きます。
そんなある日、彼女は少年にあるお願いをしてきます。それは、次のコンクールでバイオリンを演奏する自分と一緒に壇上に上がりピアノ伴奏をしてくれ、というものでした。最後の最後まで渋る主人公でしたが、少女に無理やりコンクール会場につれていかれ、結果渋々ではあるがお願いを了承することにした主人公。トラウマにより発作的に起こる、ピアノの音が聴こえなくなるという現象に不安を覚えつつも、少年は覚悟を決め、彼女と共に再び音楽コンクールの壇上にあがります。
様々なハプニングに見舞われながらも、最後は会場から盛大な喝采を浴びる二人の若き演奏者。音楽の楽しさを思いだし、興奮の余韻も冷めやらぬまま、額に汗を浮かばせ、荒い呼吸を整える主人公。
歓声と拍手を全身に受けながら壇上を降りる、今とてもとても輝いている彼女に対し、少年は最大限の感謝をその後姿へと向けます。
しかし、その憧れの後ろ姿は、まるで彼女を紡ぐ糸が切れてしまったかのように、不意に地面へと崩れ落ちます。この時から少年と少女、二人の若き演奏家の、本当の物語は始まったのです。
主人公の少女に対する想い、そして主人公さえも気づくかなかった、様々な人々からの、彼に対するたくさんの想い。いくつもの想いはやがて一つの会場に集結し、最後には感動と驚愕のフィナーレが視聴者を待ち受けています。
最後の最後には暴かれる”四月は君の嘘”のタイトルに隠された真実を知ったとき、あなたもきっと、この物語が忘れられないものとなっているはずです。