「劇場版 進撃の巨人[前編]-紅蓮の弓矢-(アニメ映画)」

総合得点
65.5
感想・評価
98
棚に入れた
735
ランキング
3310
★★★★☆ 3.9 (98)
物語
3.9
作画
4.0
声優
4.0
音楽
3.8
キャラ
3.9

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101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

鳥籠を揺るがす少年の好奇心

原作コミックは九巻まで購読。


TVアニメ一期観終わって、これ、二期実現したら絶対に見る!と勇んだ私。
決意のまま、原作アニメ化された部分まで一気読みして、正座待機していたはず……。

ところがいざ待望の二期が始まったというのに、
間が開きすぎて足が痺れたのかwどうも私の中で視聴の気運が今ひとつ盛り上がらないw
(某巨人中学校にも通っていませんでしたしw)

はて、どうしたものか……。と思案しつつ、
視聴意欲再点火のガス補給のため、今更、手を出したのが、この劇場版総集編。


前後編通じて、総じて“復習”には適した映画だと思います。
TVアニメ版にあった各キャラの過去を掘り下げる回想等を切って、
効率的に巨人との戦いを俯瞰することができます。
反面“予習”にはあまり適さないと感じました。
特に後編は一度真相を明かされた人向けな構成だと思います。


改めて映像でこの作品世界を体感してみると、
本シリーズの立体機動装置による戦闘シーンは
アニメでこそ映えると改めて痛感します。

縦横無尽に飛び回り巨人を狩るアニメーションを喰らうと、
コミックでは分泌されない脳内物質が出てきます。

実写でいけないこともないのでしょうが、
あの動きを実写映画で再現しようと思ったら、
ハリウッド版『スパイダーマン』並みの製作体制が必須でしょう。


総集編にはスタッフが重視するポイントを明確化する役割もあります。
本作では、近世ファンタジー風世界を舞台にしながら、
残酷な時代に生きる現代人にも突き刺さる同時代性。
伏線と思しき作品全体を覆う違和感により誘われる、謎解き、考察への欲求。
こうしたシリーズの魅力を再認識できました。

加えて、この前編ではもう一つ、世界を知ろうとする少年が抱く好奇心。
その強調も私の脳裏に刻まれました。

巨人たちにより壁の中に閉じ込められた人類。
それに対する諦観に納得できない若者たちの抗い……。
というのが従来の私の認識でした。

が、本シリーズにて主人公たちが抱いた外の世界へ羽ばたく自由への渇望は、
抑圧があって初めて発揮される反発ばかりではない。
もっと根源的な、生命が元々持っている欲求。
人類を発展に導いた冒険心、開拓精神。
こうした進取の気性に胸を打たれた点が、
私にとっての本総集編“復習”の収穫でした。


TVアニメ二期視聴……少し乗り遅れてしまいましたが、
壁の中にはない海への憧れを胸にしまいなおして、
私もシーズン2鑑賞へと進撃したいと思います♪

投稿 : 2017/04/11
閲覧 : 332
サンキュー:

17

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