チョビ0314 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
戦争ではブラック企業が人気
幼女戦記は個人的にかなり楽しめた作品です。
作画の緻密さ演出の巧みさシナリオの構成力と優れた演出、さらに実力派の声優陣による納得の演技と独創的なOPED、全てが噛み合っていました。
敢えて問題があったとすれば6.5話の総集編ですがそれすら良い出来でしたし、一週ズレでは有りましたがしっかり最終回まで放映されたのも見事です。
(最初から一週余計にスケジューリングされていたのかな)
しかしかなりシビアな描写もある戦争物で地味めの絵柄ですから、正直言いまして見る人をかなり選ぶでしょう。
タイトルからして萌系っぽいけど全く逆で、女性キャラは主要二人以外はほぼモブ。
基本的に男性キャラばかりで物語は展開して行きます。(ターニャも中身はオッサンですし)
実際に戦争というのは基本的に男性主体でターニャとヴィーシャこそが異分子です。
なので男性の数が多いのは至極当たり前の事ですが、昨今のアニメや漫画の世界ですと女性が多く描かれがちなので余計に目新しく感じさせてくれました。
仮想世界での話ですが情勢が現世とかなりリンクしていて、モデル(と言っていいのか迷いますが)になったであろう国を容易に想像出来る世界観で、ミリタリー物として大事な兵器の描写も現実に存在した物と類似する物が多数出てきて見事に表現されています。
細かい考証から生まれるこだわりがマニア心をくすぐるのは、某戦車アニメでも実証されていますよね。
しかし付け焼き刃だと直ぐに見破られて人気の低下に繋がるので、手間の掛かるそういった所にもしっかり拘った様です。
特に感心したのが音でして、使用される銃声砲声等が個々に細かく調整されていて関心しました。
原作のエピソードを上手に再構成しつつオリジナル要素も織り込み、最後までタレる事なく良いテンポで締めたのも美しかったです。
そしてED後パートで和ませる事で、厳しい世界観に一時の清涼感を表現したのも良いですね。
最後は次回作を予感させる引きで終わりましたが、このまま終わっても良い出来でした。
が本音は当然続編を期待したいと思っております。