カンタダ さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
良作か
つまるところ母と子の成長を描いた物語だろう。そこは一貫していたとおもうし、よく描かれていた。
OPがラルクアンシエルというのがどうにも引っかかるが、EDは世界観に則したものなので、違和感がなかった。
絵も綺麗で萌え要素もなく、素直に観られる。ここで胸部の異常な隆起の少女など登場されてはぶち壊しだったことは疑いない。何ごとも控えめがよい。
ところでどうにも解せないのが、バルサがときどき「メンテナンス」や「フォーメーション」などといったカタカナ英語を話すことだ。無国籍性を演出するために敢えて使ったそうだが、これは失敗だろう。
演出すべきは無国籍性でなく異国性で、異国性の最たるものは言語だ。が、アニメに限らず物語で外国語を登場人物に話させることは、円滑な物語の進行に支障をきたすために難しいわけだが、だからといって世界観のまったく合わない西洋語である英語は安直に過ぎる。
結果、違和感しか残らず興を削ぐ形になってしまっている。監督に猛省を促したい。言うまでもないが、そもそも英語は無国籍ではなく、れっきとしたイギリス国語だ。国際語=無国籍ではないことぐらいは理解しておくべきだったろう。
ともあれ、概して良作だ。チャグムが無力な少年から精悍な青年へと成長していく手応えを、それを見守るバルサと観賞者が共に感じられる。そんな作品だ。