Ka-ZZ（★） さんの感想・評価

3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

3人の美少女と対峙するのは、どうみても普通の男子高校生なんですけど…

この作品はオリジナルだったみたいですね。「アマガミ」の後継作として発表直後から話題のあった作品でした。

アマガミ…1期2クール+2期1クール=計3クールもの間、5人の美少女と次々と仲良くなっていく作品でした。
そして絶妙だったのが女の子との親密度合い…
オムニバス形式なのでそれぞれが独立した物語である事を頭では理解しているつもりです。
そのはずなのですが、見ていると主人公が女の子をとっかえひっかえしている様にしか見えなくなって、それぞれの女の子とお約束の様に親密度が増していくのをただ指を咥えて見ている事しかできず、主人公に対して相当羨ましさを感じた事を覚えています。
それに、自分好みの女の子もいましたし…

そんな作品の後継作…それにあやねるや、SHIROBAKOのおいたんを演じた木村珠莉さんが出演されると聞いては、私に「視聴しない」という選択肢の無い作品でした。

この物語の主人公は高校2年生の嘉味田正一（かみた しょういち）
wikiをチラ見したら「ごく平凡で冴えない男子高校生」と書いてありましたが、まさにその通りの男の子です。
「困っている人を放っておけないお人好し」という下りが記載されていたので、きっとこの1節がこの後の展開全てに影響を及ぼしているんだと思います。

主人公の様に心優しいお人好しって…きっと世の中にたくさんいるんだと思います。
世の中の大勢と主人公との違いは何なのだろう…
この物語がフィクションだと分かっていても本気で悩んでしまいそうです。

そのくらい、この手の作品に登場するヒロインって粒揃いなんですよね…

あやねる演じる常木耀（つねき ひかり）は主人公のクラスメイト…
サバサバした性格と美少女っぷりが特徴的な女の子で、あやねるの声質がぴったりでした。
一見自由奔放にも見えますが、その瞳は夢をしっかり追いかけていて、一番大事なタイミングを逃さず、優先すべきを見失わずチャンスをその手に掴む事のできる女の子だったと思います。
だから、その選択はきっと回り道じゃない…今もこれからもそう思える言動だったと思います。

下地紫野さんが演じた宮前透（みやまえ とおる）は主人公の1コ上の先輩…
主人公とはゲーム繋がりの仲間の一人から始まり、ゲームがお互いの仲を深めていった…そんな印象を受けました。
彼女はとても自分のペースと気持ちを大切にする女の子だったと思います。
でもそれは彼女なりの精一杯と誠実な態度の現れである事が分かります。
心が揺れるのはみんな一緒…だから自分のその気持ちが本物かどうかを確認する…そのための時間は二人にとって必要な時間…
だからきっと間違わないんだと思います。
自分達で納得して出した答えだから…

木村珠莉さんが演じた桃乃今日子（とうの きょうこ）は主人公の１コ下の後輩…幼馴染です。
幼馴染のいない私は鉄板だと思っていたその関係…実は幼馴染であるが故の悩みもあるみたいです。
お互いに時間を共有するのは大切な事…でも時には距離感も必要…という事なのかもしれませんが、そう考えると恋愛って色々難しかったんですね…
従兄妹同士の関係…の様な感じなんでしょうか。
個人的には従兄妹のモノとは違う空気を感じましたけれど…
きっかけと変わる勇気…
変わる事に怖さを感じる事があるかもしれない。
だって今の居心地の良さを壊してしまうかもしれないから…
でもそれ以上になるためには避けては通れない道なんでしょうね。

主人公はどの様な結論を導き出すのか…気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、奥華子さんの「キミの花」
エンディングテーマは、3人のヒロインに対して2曲ずつ合計6曲もの楽曲が提供されていました。
個人的には宮前先輩の歌っていた「ムテキの女神」はムッチャ好みでした。

1クール計12話の物語でした。
3人のヒロインが登場したので4話/人で描かれていましたが、4話は少し短かったような気がします。
全体的にストーリーが綺麗に纏めっていたと思いますが、人と人の関係ってそれだけじゃありません。
自分が可愛い、自分を見て欲しい…それに嫉妬だってする…
そういうマイナスの感情が全体的に不足気味だったように感じました。

でもそれを差し引いても十分堪能させてもらった作品になりました。