STONE さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ちゃんとした時代劇でした
原作は未読。ドラマ版は萬屋 錦之介、中村 吉右衛門版は視聴済、他の池波 正太郎作品は幾つか
既読。
視聴前は事前情報がまったくなく、アニメ化にあたってアニメ映えするような派手にするための
改変があるかと思っていました。敵が巨大な組織だったり、あるいは妖魔の類だったりとか、
長谷川 平蔵を始めとする火付盗賊改方の面々が異能持ちだったり、異能とまで行かなくても一芸に
秀でたスペシャリスト集団だったりととか、火付盗賊改方が全員独り身のイケメン集団になって
いたり、はたまた美少女化されていたりとか。。。
いざ蓋を開けてみると至極真っ当な時代劇でした。変な勘ぐりをしてごめんなさい。
もっとも一話30分ということでドラマ版に較べて、全体的に駆け足感はあったけど。
時代劇と言っても比較的単純な勧善懲悪ものとは異なり、登場キャラの人間ドラマに重きを置いている作品で、更に結末は捻りのあるものが多く、こういった部分に味わいと深みを感じる。
時代劇らしさを感じさせるチャンバラ要素もおざなりになっておらず、こちらに関しては
ドラマ版よりバイオレンス色が強いものになっている。この辺はアニメの強みかなあという感じ。
キャラに関しては主役である長谷川 平蔵の魅力もさることながら、主人公の一人舞台で終わる
ようなタイプの作品ではなく、火付盗賊改方の活躍を描いたものであるため、刑事ものなどに通じる
チームとしての魅力を感じるものになっている。
この脇キャラ陣だと印象深いのは小房の粂八、相模の彦十、おまさといった密偵組。他作品でも
そうだが、こういった忍者的、スパイ的キャラはやはりカッコいい。
この密偵組に関して、作品内では割と簡単に平蔵配下になっていったように映ってしまうが、
盗賊の世界では一種の裏切り者ということで、かなりの決意があったんじゃないかと。
アニソンらしからぬジャズ歌謡といった風の由紀 さおり氏もEDもこの作品らしくて良い。
2019/07/09