「月がきれい(TVアニメ動画)」

総合得点
94.0
感想・評価
1809
棚に入れた
7624
ランキング
8
★★★★☆ 4.0 (1809)
物語
4.1
作画
4.0
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
4.0

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ネタバレ

タック二階堂 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

等身大の中3を描くリアルな恋愛物語。

小説家志望の文芸部員、小太郎。
茜は陸上部で短距離走専門。
中学3年になり、初めて知り合った2人。
家族と食事に出かけたファミレスで出くわしたり、
運動会の用具係で一緒に作業したりが続き、
互いを意識し始める。
(公式より)

というお話。

いやに西武線のトレインビジョンでCMを
観るなあと思ったら、舞台が埼玉県川越市
なんですね。

中3の頃なんて、ホントこんな感じでしたね。
ファミレスで偶然一緒になって、ちょっと
恥ずかしくて。そんな偶然で、相手を意識して。

LINE交換は今風だけど、でもちょっと相手と
繋がったって感じた時はうれしくて、
つい電気のヒモでシャドーボクシングとか
しちゃったりしてw

感情の表現が抑えめで、こんなもんだよなって
思わせてくれるぐらいリアルを追求している
印象を持ちました。

川越もいい具合に落ち着いている舞台設定で、
これは覇権を争うぐらい期待感が大きい
作品が飛び出してきました。
もちろん、継続視聴です。

========第2話視聴後、追記です。

気になるコが、自分の知らない人間関係で
楽しそうにしているとモヤモヤしますよね。

茜が失くしたイモのぬいぐるみをみつけてあげます。
それがきっかけで、さらに急接近。

ホント、抑制の効いた、アニメ的な表現を極力
排した作りは好感が持てます。

Cパートのショートエピソードもいいですね。

========第3話視聴後、追記です。

茜の陸上大会の回です。

特に刺激的な何かがあるわけではありません。
オチも伏線らしきものもない。ただ、そこにある
中学生の生活を淡々と描くだけ。

でも、それがいい。

LINEでは親密なのに、教室では声すらかけられない。
女子たちの噂話に心がざわつく。
大会結果をLINEしてこないことにそわそわする。
太鼓の練習の後、神社に来てくれた茜に、
気恥ずかしくてそっけなくしてしまう。

こういう遥か昔に失ってしまった心の機微を
これでもかとぶつけられる作品です。
でも、それが心地良い。

========第4話視聴後、追記です。

修学旅行で京都です。
みんな、いかにスマホを見つからずに持って行くか
に腐心します。そんな時代なんでしょうね。

自由行動で茜をデートに誘うまでは良かったけど、
先生に見つかり取り上げられます。
で、スマホがないもんだから行き違い、すれ違い。

ちょっと小太郎にイライラしました。
いくらシャイでも、そのことは伝えないと。
よしんば伝えられなくても、遅れちゃダメでしょ。

でもまあ、ヤキモチ妬かせたのは勝ちw

面白いですね、やっぱりこれ。

========第6話視聴後、追記です。

小太郎の元に出版社の編集から電話がかかって
きます。面談の日が日曜日で、茜の大会の日と
カブります。
日曜日に? という意見もありますが、この編集は
相手が学生ということもあり、都合の良い日に
スケジューリングしたということです。
それに、小太郎は純文学作家になることを否定
されて落ち込みますが、ある意味中学生で、
編集者がついてラノベ作家の道が拓けるとか、
そうとう良い条件の話だと思うのですが…

大会で成績が振るわなかった茜に、怒号を含んだ
言い方で批判する拓海。どうなんだろ。
本人が一番不本意なのに、それを怒るって…

ちょっとこれはかなり出来のいい作品ですよ。
いやいや、ダークホースでした。

========第6.5話視聴後、追記です。

まさかの万策尽き…

残念です…

========第8話視聴後、追記です。

前回で付き合ってることがバレちゃって、クラスの
みんなの視線が気になります。
中学校の時にあったなぁ、こんなこと。

そして、夏祭りデートです。
川越氷川神社の「縁むすび風鈴」。
ここでBGMはJITTERIN'JINNの「夏祭り」。
これはズルいよ。東山奈央のカバーもいいですね。
『ReLIFE』のEDでも使われましたよね。定番。

今回は、あんまり好きな言葉ではありませんが、
「神回」と言ってもいいでしょう。
ホント、中学時代のピュアな恋愛をまたしてみたい
と思わせる内容でした。

これは、中学生に向けた作品というよりは、昔、
中学生だったおっさんの郷愁をさそう作品なのかな。

========第11話視聴後、追記です。

三者面談で、茜と同じ千葉の光明高校を受けると
言い、母親と口論になります。そして、茜と同じ
高校を受験することが(なぜか)クラスで噂に
なってしまいます。

関東圏以外だと、川越の子が千葉の高校受験する
ことがなぜここまで不自然なのか理解できないと
思いますが、おそらくは電車で2時間以上はかかる
と思われます。そんな進路は普通ないです。

とは言え、母親の描き方はちょっといくらなんでも
ひどいと思っていましたが、Bパートでフォローを
入れてきましたね。上手いこと親のありがたさを
伝える回でしたね。

小太郎の選択は間違っていないと思います。
このくらいの年頃の恋愛って、離れてしまうと
自然消滅が普通ですし、それを阻止するためには
できるだけ近くにいることが大事だから。
でも、たぶん落ちちゃうんだろうな…

========最終話視聴後、感想です。

予想通り、小太郎は光明高校を落ちてしまいます。
そして、市立の第一?高校に合格。合格発表の
帰りに千夏から告白されますが、断ります。

遠距離恋愛になる不安、そして千夏の告白のことを
話してくれない小太郎への不安から、茜は卒業式の
翌日、泣いてしまいます。
なぜ泣いて走り出した茜を追わないんだ…
そして、なぜその夜にフォローしないんだ…

そして茜の引越しの日。
見送りに行かない小太郎(なぜ行かない?)。
「小説家を目指そう」(なろう?)サイトに投稿
した小太郎の小説に付けられた茜のコメントに
気づき、茜の家に向かうが、すでに引越し後。
(そりゃそうだろ。てか遅いよ)
で、千夏のLINEで改札に入ったことを知り、
電車の見える橋へと走る小太郎。ここのとこは、
新海誠「秒速5センチメートル」を彷彿しました。

一箇所。意識したのか、監督が伝えたかったのか。
駅に間に合わないと悟った小太郎がスマホを取り、
何か送ろうと思ったが、「いや」というシーン。
本当の気持ちなんて、LINEなんかじゃ伝わらない
んだよ、というメッセージと思いました。

茜は電車の中で、小太郎から直接聞かされて
なかった言葉を小説の終章で読みます。
「大好きだ」
そして時は流れ…
というフィナーレ。

正直、これで千夏と付き合うことになるという
展開も面白いなと思っていたのですが、さすがに
きれいにハッピーエンドでまとめてきました。
(遠距離で自然消滅、千夏と付き合う、そして
10年後、街で茜とすれ違う=新海的な展開w)

小太郎の「行動しない性格」に、イライラすること
も多かったのですが、童貞の中学生の初恋なんて
こんなものかと思うと腑に落ちる部分でもあり。

全編通じて、タイトルどおり「きれい」なお話。
忘れかけていた遠い日のアレコレを蘇らせて
くれる素晴らしい作品でした。良作です。

投稿 : 2017/06/30
閲覧 : 375
サンキュー:

22

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