takekaiju さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
悪意に満ち溢れた作品
「もしも不死の身体を手に入れたら」を地でいく作品。
ひとつの回答として考えられる人体実験に利用される恐怖が何とも言えない後味の悪さを醸し出している。
亜人は人間ではない、この作品の人々の共通認識ではあるが、盲目的にそう信じている人が多いことには疑問を覚えた。亜人だと判明するまでに営んできた社会生活を鑑みれば、亜人に対する一方的な保護・管理政策に否を唱えてもいいはずなのに、そうした人はごく少数しか出てこない。むしろ賞金目当てに嬉々として捕獲しようとする悪意ある人間のほうが多い。
登場人物の多くも利己的な目的のために行動する人たちが多い。自分の評価のために行動する(と言われている)主人公の永井圭、純粋に殺し合いを楽しむ亜人の佐藤、金のために他者(亜人)を顧みない厚生労働省の戸崎、利益のために亜人を利用する大臣や各種企業など、嫌になるくらい悪意に満ちている。感情移入できる人物がいないので、良くも悪くも客観的に物語の世界を眺めることになる。
CGで描かれるキャラの造詣が雑。
顔の表情や手足の動かし方、会話と口元の不一致など初期の3Dアニメを観ていうよう。同じ3DCGで描かれている『シドニアの騎士』と比べても明らかに劣るレベルで、ずいぶん昔の作品だが映画版の『ファイナルファンタジー』に近い印象を受けました。