ぽ～か～ふぇいす さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態：観終わった
１～３話先行上映会に行ってきました
視聴中につき点数未評価
野崎まどという作家がいます
電撃小説大賞におけるメディアワークス文庫賞の初の受賞者です
電撃文庫がいわゆるライトノベルレーベルであることは皆さんご存知のことと思いますが
メディアワークス文庫はポストラノベと呼ばれるものの一つです
ライトノベルという言葉が定着するようになって以来
大人の鑑賞に堪えるような作品がどんどん減っていき
ライトノベルは本当にライトな低年齢向けのものが主流なりました
ライトノベルという名称ができる前は
それらのレーベル内でもう少し高年齢を対象に書いていたような作品も多かったのですが
それらはどんどんレーベル内で異質なものになり徐々にその数を減らしていき
同時にライトになり過ぎたライトノベルを卒業してしまうラノベ読みも増えました
その結果そうやってラノベの正解からはじかれた作家・作品・読み手のために
ライトノベルより若干大人向けのレーベルをいろいろな出版社が作るようになり
電撃が作ったのがメディアワークス文庫です
ビブリア古書堂の事件手帖や探偵日暮旅人など
アニメよりもドラマになることが多いことからも
ライトノベルとは若干ターゲット層が違うことがうかがえるでしょう
野崎まどのデビュー作［映］アムリタも
電撃の小説大賞の応募作品でしたが
対象年齢が高いと判断されたのか
メディアワークス文庫賞という形の受賞となり
電撃文庫ではなくメディアワークス文庫での刊行となりました
その後もおふざけ度合いの高い野崎まど劇場以外は
メディアワークス文庫か他社からの出版です
野崎まど劇場だけがいわゆるライトノベルレーベルから出ているのですが
その野崎まど劇場でいろいろと活字で遊んでいるのを
まとめサイトが「最近のラノベはこんなにひどい」みたいなネタにしたおかげで
まるでクソラノベ作家代表みたいな扱いを受けています
しかしknowで第34回日本SF大賞にノミネートされるなど
その実力は折り紙付きです
野崎まどの特徴は
きわめて理性的で論理的な物語展開と
あっと驚くような奇想天外などんでん返しでしょう
徹底して合理的に不条理を描き
物語が想像の斜め上の展開にすっとんで
予想だにしなかったところに着地するのは本当に見事です
ただしそれがエンターテイメントとして上質かどうかは
個々の作品によって差が激しいです
あっと驚くだれも予想しない展開が
誰でも予想しうるべたべたのテンプレ進行と比べ
必ずしも面白いわけではないのです
作品によっては予想しない着地点にただただ驚かされはするものの
それがまったく面白さにつながらずに終わっているものもあります
もちろんいつもそういうわけではなくて
読者をジェットコースターのように振り回したうえで
見事にウルトラCの着地を決めることもあります
そうなったときの圧倒的カタルシスが忘れられず
今のところ全作品を読んできていますが
はっきり言って打率はあまり高くありません
ホームランか三振かみたいな極端な作家さんです
今回のアニメ1話を見たところ
野崎まどがどうの以前に
なんというか思いっきりシン・ゴジラでした
閣僚のおっさんたちが顔突き合わせて会議しているシーンを
必要以上にだらだらたれ流しているのを見ると
シン・ゴジラがブレイクしてた頃に作ったんだろうなぁｗ
なんて思いましたが2話～3話はしっかり野崎作品らしいSFでした
ちなみに本日4/6からアマゾンプライムで第0話が見れるようです
まだ見れていないのですが
こちらは登場人物の紹介に近いような前日譚で
SFっぽい要素はなさそうなことを舞台挨拶で聞いてきました
興味がある方はこちらも見ておくといいでしょう
もともと野崎まど原作・脚本というところに惹かれただけなので
ストーリーやキャラクター以外の部分はあまり気にしていなかったのですが
アニメーションは基本3DCGのようです
ただCGのクオリティは非常に高く静止画をパッと見ただけでは
3DCGなのか作画なのかわからないレベルで作りこまれています
しかしそれでもキャラを動かしはじめると
細かい表情などに不気味の谷を意識させられました
ここ数年急速に進歩している3DCGアニメーション
背景や無機物の描写は非常に優れており
細かいものを多数独立して動かすなど
作画では困難なことを低コストで実現できるようになってきています
一番苦手としていた人物の動きに関しても
どんどん違和感が少なくなっては来ています
しかしそれでも完全に違和感なく見れる日はまだまだ先なのかなという気がします
あともう一つ気になったのが
スタッフが40時間寝てないとか
なんかすごい過密スケジュールっぽいこと
いえ・・・クオリティが下がったり
放送落としたりがなければいいんですが
少し心配になりました
ホームランになるか三振なのかわかりませんが
スタッフさんたちの徹夜の成果
最後までしっかり見届けたいと思います
