ルル さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
グロいけど面白かった。
キャッチしている方から「これグロいけど面白いよー。」とお勧めを受けて観てみました。全13の物語です。この作品は2004年のアニメなので流石にキャラデザインはちょっと古めですが、ストーリーの内容はまだまだ現役です。また、一見するとハーレムもののように見えますが、扱っているテーマは普遍的で奥深いです。
「グロいよー」と事前に教えてもらっていたのですが、第一話開始早々いきなりグロくて笑いました。まるで人がゴミのように手足がスパスパと切り落とされて殺される始末です。不思議なものでグロがこれだけ連発されると慣れてきて、切り落とされた手足が骨付カルビに見えてきました。でもグロが苦手な人は注意してくださいね。
ストーリー的には、これからどうなるのか?という先の展開が最後まで全く読めない作品でした。先の展開が読めないという事は、展開が視聴者側の予想の上をいく。という事ですから、作り手側の手の掌の上って事になります。よく練られたプロットだと思います。
8話で「自分が不幸だから、自分より不幸なものが必要なのだろう。」という突き刺さるセリフがあります。おそらくこの作品のテーマは、この短いセリフに集約されているのではないかと思いました。繰り返される暴力の負のスパイラルの源泉が、差別や悲劇によって生じる悲しみから生まれる事を端的に遠回しに述べていますね。そのスパイラルをどうしたら断ち切れるのかは私には分かりませんが、少なくとも右の頬をぶたれて躊躇なく左の頬を差し出せない私には土台無理だということは確かのようです。気に留める事しか出来ない無力さです。
この作品を観終わって「人間は表面上、争いを嫌いつつも争いを望んでいる。」という、現在Abema TVで消失中(*1)の某作品のヒューマノイドアンドロイドが無表情で体育祭で述べた言葉をふと思い出してしまいました。意外に重いよーこのアニメw
(*1 ) 2017年4月2日現在