aucheidac さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
戦わないために戦う
原作は未読です。結構面白かったです。
<あらすじ>
日本のエリートサラリーマンとして働いていたが、その合理主義的考えが行き過ぎるあまりに恨みを買い、ある日駅のホームから突き落とされ、轢死する。
しかし、存在X(神のような存在)に転生させられる。
転生先は第一次・第二次世界大戦期のヨーロッパがごちゃ混ぜになったような異世界。
その世界には魔法が存在し、そこで彼はターニャ・デグレチャフという少女として再び生を受け、魔導師として軍に入隊し、存在Xの打倒と自身の生存のために戦場へと赴いていく。
<感想>
ターニャが所属するのは帝国と呼ばれる国家です。
地図などを見るに現実のドイツにあたると思われます。
いわゆる歴史改変モノと言ってしまえば簡単ですが、
ターニャは、戦いたくないが故に戦話なければならない、という矛盾した状況に放り込まれています。
宇野常寛が唱える決断主義的な作品なのかなと思います。
ターニャの戦いは、存在Xによってそういう状況に追い込まれてしまったから、とりあえず生き残るために戦うといった類のものです。
そういう視点で見ると、存在X打倒のための戦いとして戦争に意味を見出そうとするターニャと、彼女の周囲の兵士たちとのズレみたいなものがおもしろくもあります。
端から見れば、彼女は部下への大げさな演説など、少しメガロマニアところもあり、
狂気に満ちたキャラクターでもあります。
ちなみに狂気を浮かべた表情の作画はとても印象的で良かったと思います。