じぇりー さんの感想・評価
1.7
物語 : 1.5
作画 : 2.0
声優 : 2.5
音楽 : 1.5
キャラ : 1.0
状態:観終わった
もはや主人公は世界観を構築するためだけのピエロ君では?
27歳無職の主人公・海崎が、「リライフ研究所」なる組織から10歳若返る薬をもらい、社会復帰を目的として高校生活を一年間やり直す…というのが、ざっくりとしたあらすじ。
設定自体は悪くないと思うのだが…問題は中身。
高校生活をやり直すことで、社会性や情緒的な面での自己の再発見を促し、その後の人生に役立てることが目的なはずの「リライフ」なのに、どうにも主人公が傍観者的な立ち位置になるエピソードが多くて、果たしてこれが本当にリライフと呼べるものなのか甚だ疑問に思う。
海崎は、いくら体は高校生に戻っていても、精神面は大人なので、クラスメイトに対する見方も掛ける言葉も、どこか達観している感じがして、同じ目線に立てていない。
いや、君は更生のために高校通ってんだから、もうちょっと皆と同じレベルで物を見ようよ、動こうよ、と言いたくなる。
お陰で主人公らしくない主人公が出来上がり、主に主人公を取り巻くクラスメイト達の青春劇を見せられているようだった。
それならそれで、その青春劇が巧妙に作られていればそれでもいいのだが、部活や恋愛に悩む高校生のありきたりで、浅くて、稚拙なストーリーが待っているだけだった。
正直、期待外れな内容だったと言わざるを得ない。
原作の都合か、尺の都合か、1年のリライフ期間がすべて描かれていないので、中途半端にストーリーが終わる。ブツ切り。
さらに、この作品の特徴の一つでもある「懐メロED」も、最後に海崎がベランダの窓を閉める描写と共に、音楽が不自然にフェードアウトしていく。ブツ切り。
このEDの演出、当然その都度別の楽曲が使用されるので、アニメーション画面との相性がことごとく悪過ぎる。
作画も良いとは言えないし、正直ここでの高評価が理解できない程、観ていてフラストレーションの溜まる作品だった。
私の、この作品に費やした時間をリライフさせてくれ~!!(涙