「3月のライオン(TVアニメ動画)」

総合得点
80.3
感想・評価
983
棚に入れた
4888
ランキング
463
★★★★☆ 3.9 (983)
物語
3.9
作画
3.8
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
3.9

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

魅力的なキャラが多々

 原作は未読。
 メインモチーフは将棋だが、競技そのものより競技を通してみるキャラクタードラマという印象が
強い作品。
 全体的な印象は主人公である桐山 零の自分の居場所探しといった感じ。これは人間関係という
意味でも、プロ棋士としての位置付けという意味でも。
 主人公の状況という部分では話が劇的に動くわけではなく、零と彼を巡る人達との交流の描写が
中心。
 そういう意味では大事なのはキャラだが、これがとにかく魅力的。個性の強いプロ棋士の面々、
川本家の人達など、いずれも印象深い。ストーリー的には印象の悪そうな幸田 香子、後藤 正宗と
いったキャラでも個人的には魅力あるキャラという印象。
 その中で敢えて特筆するなら、まず川本家のあかり、ひなた、モモの三姉妹。特に前半は零の
心模様がそのまま作品の雰囲気になっているような暗い雰囲気が漂う中、この三姉妹の存在が
清涼剤のような役割を果たしていた。
 その反対に暗の部分を象徴していたような存在だったのが香子で、この杏子と零の愛憎
入り交じったような単純ではない関係性が印象深い。
 中盤、零が獅子王戦トーナメントで後藤と戦うべく強い決心をする。通常主人公がここまで覚悟を
決めるとそれは決定フラグになったりするのだが、それをあっさりへし折ってしまったのが
島田 開。後半においての島田は第二の主人公と言ってもいいぐらいで、自身の物語が描かれつつ、
脇役としても棋士としての零を成長させるという重要なバイブレーヤー振りを発揮。
 この杏子、島田をそれぞれ演じた井上 麻里奈氏の毒のある物言い、三木 眞一郎氏の静かな闘志を
感じさせる演技はいずれも素晴らしかった。
 演技と言えば、川本 モモ役の久野 美咲氏。幼い役に定評のある人だが、保育園児とここまで
幼いのはちょっと珍しく、そのリアルな演技にはちょっと驚いた。

 零や川本家の住むベイエリア周辺の雰囲気もなかなか良いが、橋を隔てた零の住むどことなく
殺風景な雰囲気のエリアと、下町情緒溢れる川本家周辺の差異が、キャラの状況の暗喩でも
あるように思える。
 時折コメディ要素はあるものの基本的には地に足の着いた演出のシリアスものといった印象が
あるだけに、時々いきなり入ってくるパロディ映像には意表を突かれる感が。

2019/05/14

投稿 : 2019/05/14
閲覧 : 318
サンキュー:

7

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