蒼い✨️ さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
『進撃の巨人』の成功体験による派生作品っぽい。
制作:WIT STUDIO
2016年4月7日 - 6月30日に放映された全12話のTVアニメ。
監督は荒木哲郎。
【概要/あらすじ】
「貴様、人かカバネか」
「どちらでもない」
「俺はカバネリだ」
極東の島国・日ノ本を武士が統治していた時代。
世界は産業革命の波が押し寄せ、
鉄道網の発達など蒸気機関が時代の主役であった。
かつては人であった骸の怪物“カバネ”が発生し人間を襲い、
噛まれた人間もカバネとなるという事態が起きた。
カバネは爆発的に世界中に増殖し続け、あっという間に人間に取って代わる存在になった。
日ノ本は大陸からのカバネの上陸を防ぐことが出来ずに、
生き残りの人間たちは、鉄道駅を巨大な壁に覆われた城塞都市にして、
壁の中の世界でカバネを恐れながら細々と生きていた。
鉄道は幕府の管轄下にあり、大名が所持する装甲機関車=“駿城(はやじろ)”で、
人間や物資を駅間を移動していた。
四方川(よもがわ)家が治める顕金駅に蒸気鍛冶をしている生駒(いこま)という17歳の少年がいた。
この作品の主人公であり、過去に故郷の駅がカバネに襲われて家族は既にいない。
彼はカバネの死体を収集し、独自に特性や倒し方などの研究を重ねていた。
ある日、顕金駅に四方川家の当主とその娘・菖蒲(あやめ)を乗せた駿城・甲鉄城が到着。
ホームで生駒は、無名 (むめい)という不思議な少女を目撃。
カバネの感染の疑いを持っただけで簡単に人を殺す武士のやり方に反感を抱いた生駒は、
閉じ込められた牢屋の中から、無名と再会した。
その日、乗員全てがカバネに感染して乗っ取られた別の駿城が顕金駅に突入。
当主も犠牲となり顕金駅は壊滅し、生駒はカバネに噛まれたものの自力で克服し、
人の意志とカバネの能力を持った存在“カバネリ”になった。
駅の生き残りの人々は甲鉄城で脱出。目的地は将軍が治める金剛郭(こんごうかく)
菖蒲をリーダーとして、カバネから逃れ戦う脱出行が始まり、その中に生駒と無名の姿があった。
【感想】
人間の置かれている状況や、ヒロインの無名の際立った戦闘能力など、
大ヒットアニメ『進撃の巨人』との類似性の多さが指摘されるアクションアニメですね。
制作会社と監督が同じ。オリジナルアニメという触れ込みですが、
ノウハウを活かして和風『進撃の巨人』を制作して二匹目のドジョウを狙ったというところでしょうか?
シリーズ構成・脚本に『コードギアス』で知られる大河内一楼。
キャラクターデザイン原案に、美少女イラストレーターであり漫画家でもある業界歴35年以上の美樹本晴彦。
著名なスタッフを集めれば凄いアニメが作れるだろう!夢があって良いですね。
さて、私がこのアニメを見て思ったこと。
・主人公の鼻声と滑舌の悪さは演技なの?
同じ声優が主演の『うしおととら』で理解。
鈴木亮平のように役作りに拘るのではなくて、松平健が何を演じても松平健であるみたいに、
声優の特徴がキャラのイメージになるタイプなのですね。
・作画が良いね!
『マリオネットジェネレーション』などを読んでた息の長い美樹本晴彦ファンなら、それだけで満足しそう。
男はイマイチですが、女の子は可愛いです。今風のラノベタッチと絵柄は違いますが。
『魔女の宅急便』とコンセプトが似通ってしまったがためにお蔵入りとなってしまった、
幻の没アニメ『舞夢』をこの技術力と作画スタッフでリブートしてはどうでしょうか?私なら観ます!
・シナリオ!
他の人も書いてるかもしれないですが、
初期は良かったのですが、1クールを通してみてみますと、
智慧と勇気で絶望を乗り越える人と化物の総力戦にならなかったのが残念。カタルシス不足。
決着がついてもカバネがどこから発生したか?などの謎が解けていないですし。
『進撃の巨人』のような考察系作品でなく、設定は舞台装置でしょうか?
それとも、決定済みの2期でやる予定なのでしょうか?
・ラスボス
父親を恨むのは解るのですが、無関係な人間を大量に巻き込んで死に追いやってるので、同情の余地なしですね。
徹底的にクズい悪役描写をしていますので回想シーンを挟んでも焼け石に水。
彼なりの大義名分やピカレスクが伝わってこないですね。
主人公がパッとしない芋臭い人物ですので悪役に華を持たせたら主人公を完全に食ってしまうから、
そうせざるをえないでしょうか?
・最終回!
色々凄いね。シチュエーションありきで登場人物やカバネの強さが変わる。
『北斗の拳』の“修羅の国編”の修羅の実力のデフレ現象の再来?
(名も無き末端の修羅が、手負いとは言え元斗皇拳の金色のファルコと相打ちになったのに、
最後の方に出て来る修羅は、黒王号に踏み潰されるだけの雑魚の集まりに過ぎなかった)
主人公は最終決戦に向けてパワーアップして、中ボス戦で別のアニメみたいに超人的な強さを見せつけたのに、
ラスボス相手だとパワーアップ前に戻ってるような不思議さ。
登場人物の心境を推し量ったり、設定を考察したり、展開を予想するといった類の楽しみ方は捨てて、
その刹那ワンシーン毎のアクションを楽しんだり、その場の空気に乗じたりする、
どうやら、そういった系統のエンタメ作品かなって気がしました。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。