101匹足利尊氏 さんの感想・評価

4.7
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態：観終わった

凄い演奏と青春からは風圧を感じる！……嘘じゃありません。

原作コミックは未読。

アニメで思いっ切り感動したい！

ふと湧き上がってきた、無茶な欲求を満たしてくれる作品を、
あにこれの｢観たい｣リストで探してみて、これしかないだろう。
とチョイスしたのが本作。

で、視聴してみて、いや～、感動しましたねぇ～。
ここまでハードルを上げたにもかかわらず、
期待通り、心を揺さぶられるとは。
あにこれやってて良かったと素直に思いました♪

放送当時、『のだめ』の資源を使い果たしたフジが、
またぞろ新しい音楽コンテンツに手を出したかｗケッｗ
といった感じでスルーしてしまった偏屈な自分を、
土稜橋から投げ捨ててやりたいですｗ


感動の質は、カタルシス一発でガツンと来るタイプではなく、
ピアニスト＆バイオリニストの少年少女が奏でる音楽の再現度と、
それらに負けない高水準の作画で構築された雰囲気。
申し分ない輝きを放つ青春の舞台で、
断続的に感想シーン＆印象的なセリフを刺して、手数で圧倒するスタイル。

登場人物がもれなく名言メーカー。
吐くセリフがいちいちネオ・ヴェネツィア級の恥ずかしいセリフのオンパレード。
楽器を奏でる少年少女たちは、一足先にニュータイプとして覚醒したのでは？
と錯覚するくらい決めて来ます。

これらを中途半端にやると、中学生がこんなこと言わないだろうｗとか、
露骨に泣かせに来たって俺は泣かないぞｗとか、
自分の卑屈な部分が抵抗するわけですがｗ

本作くらい徹底的にやられると、脱帽せざるを得ません。
キザなセリフの数々も、臭いとかリアルじゃないとか、そういう論評を飛び越えて、
一言一言に魂が籠もっている。場面の都合で言わせている気のないセリフがない。
との賛辞に昇華します。

感動を狙ったシーンにしても、ビビりながらだとテンプレ臭プンプンですが、
ここまでフルスイングされると、王道の清々しさの方が上回ります。

{netabare}普段、自転車の二人乗りなんて馬鹿のやることだと斜に見る自分が、
二人乗りに釘を刺すテロップなど邪魔だ！と野暮に感じてしまう。{/netabare}

視聴者をロマンチストにするパワーが本作にはあります。


素敵なクラシック音楽の数々、心の琴線に触れる主題歌も素晴らしいのですが、
個人的に、音楽面では、劇伴担当の横山克氏の奮闘にも、ある種の感慨を覚えます。

横山氏でアニメ劇伴と言えば、自分の中では、楽曲自体は壮大で良いのですが、
巨乳女戦士の衣装破壊バトル等のバックグラウンドで奏でるには、
ちょっと荘厳すぎるのではｗというイメージ。

その上で本作のBGMを聴くと、横山氏のサウンドが身の丈に合った舞台で、
思う存分、躍動しているように感じ、嬉しくなります。


私にとっては、四月がやって来る度に思い出すアニメとキャラが、
また増えて喜ばしかった。
大変、有意義な感動体験でした♪