DEIMOS さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
日本アニメ界の記念碑的作品。
非ジブリ作品が凄まじい興行成績を残したという点で日本アニメ界における記念碑的作品となった。監督は、自主制作アニメ出身の新海誠。背景美術と音楽に強みのあった同監督に、田中将賀、安藤雅司、井上鋭、黄瀬和哉など、キャラクター作画の一流スタッフが合流し、必然的にヒット作が生まれたという構図。事実、過去の新海作品にはないキャラクターの躍動が見られた。
ストーリーは、序盤のラブコメ展開から後半のSF展開へのシフトが絶妙で、飽きることがない。どちらか一方に軸足を置いていたら、ダレていただろう。SF作品の最重要ポイントである、一設定(男女の体が入れ替わる)以外は徹底的にリアル、にも忠実。痛快感こそないが、秋風のような爽やかな爽快感を得る。
並行世界のSF設定をベースに、恋愛要素とヒーロー要素を織り交ぜ、ヒット作品の要素を詰め込みつつ、それでも、結局は、「君の名」を長らく思い出せないまま時を重ねるあたりに、「どこか冷めた」印象を持つのだろう。その作風こそが新海誠らしさなのだが、それが世間に受け入れられた時代感にこそ、驚きを感じた。