DEIMOS さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
戦時下のリアルな生活を描いたシリアス日常アニメ。
太平洋戦争下の広島・呉の一女性の生活にフォーカスを当てた日常アニメ。
監督は、マイマイ新子やブラックラグーンで有名な片渕須直。クラウドファンディングで制作費を集めたことでも、世間の注目を集めた。
ストーリーは、原作に忠実。したがって、カットの切れ目が気になる場面も多いが、生活を垣間見ている感じが出て、むしろ面白いと思うこともあった。総じて、テンポよく時間が流れ、キャラクターは歳をとる。そして、淡々と戦争は進み、人が死に、街は壊れ、復興する。特別感を持たずに戦争を捉える視点は極めて斬新。しかも、キャラクターは、皆、ひたむきに生きようと笑顔で暮らしている。こんなに明るく戦争を描くフィクションを見たことない。仰々しく、広島平和記念資料館でパネル展示を眺めるだけでは得られない感覚を得る。自然と涙が溢れてくる。
もちろん、平和祈念資料館と大和ミュージアムで具体的知識を得れば、より立体的にこの時代を理解することができる。よしんば、すずさんが歩いた町並みを、自分の足で歩いて味わってほしい。さすれば、ブラタモリ的足跡の発見によって、すずさんの見た風景が眼前に蘇る。
JALの機内エンタテイメントで視聴可能。これを見ない手はない。