kotodame さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
傑作です
主人公含め、主要人物は高校生なのですが、各キャラの子供時代の延長としての青春時代の描写がとにかく秀逸です。みんな根っこの部分の純粋さは変わらず、だからこそ、めんまの死という重すぎる事実をどう受け止めてしまったのか、どう変わってしまったのかという観点を主軸とした人物模様が光ります。
また、各キャラの心の傷を当人であるめんまがきっかえとなって解きほぐしていく、という成長物語でもあります。
物語を進めるにあたっての小道具も秀逸。少年時代に一緒に体験した事柄や流行したものが再びメンバーを昔に立ち返らせ、「再結成」に向かわせる、その流れがとても自然です。
演出も素晴らしいです。舞台はいかにも子供が秘密基地を作って遊んでそうな、程よく田舎で程よく都会な街。透明感のある作画が彼らの真っ直ぐな心をうまく表現しています。
キャラの死を持ってくるのは反則とはよく言いますが、それは安易にそういう素材に飛びつく安っぽいストーリーの話。これはその死を土台として織り上げた、とにかく綺麗にまとまった青春ものです。でもやっぱ卑怯だと思ってしまうのは多分あなたが泣いた後だからです。
たまには下手にしゃちほこばった話じゃなくて、こういう毒のない感動系青春群像モノに心ゆくまで溺れてみたい、という方には是非お勧めです。