E4GLS さんの感想・評価
4.1
物語 : 5.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
キャラクターが旅した素直な結果であれば、それでよい
本作のおかげで2017年冬は本当に楽しい時間を過ごすことができました。
けものフレンズは癒しであり、上質なエンターテイメントでした。
本作の主な登場人物は擬人化された動物で、人間特有の複雑な感情や知識とはかけ離れた存在として描かれます。そのため性格が本当に素直で、また動物由来の愛くるしい仕草も相まって新感覚の癒しが得られます。
その半面、世界観は退廃的で只ならぬ雰囲気を感じさせます。主人公の旅の目的は自身の正体を知ることですが、視聴者にとっては世界観を理解することにも大いに興味をそそられます。
私がけものフレンズにおいて特に優れていると感じる点はこの世界観と物語です。
世界観について、本作は「フレンズとは何なのか」「ヒトはいない世界なのか」といった根源的な謎に満ちているのが特徴で、視聴を続けるうちに引き込まれていきます。
けものフレンズはマルチメディア展開してきたコンテンツですので積み重ねられてきた重厚なバックグラウンドがあります。またキャラクターのベースが現実の動物ですので、視聴者が「もっと知りたい」と感じたとき調べることのできる知識の海は広大に広がっているわけです。この知的好奇心に訴えかけられる感覚は新鮮で、ネット上での考察の流行も合わさり作品に没頭させられました。
物語については、素朴ながらも先の読めない展開で毎週ワクワクさせられました。最終盤の展開はまさにタイトルの通りで、旅の中での伏線とキャラクターの成長を踏まえた見事な完結でした。
当初の低い期待値とは裏腹にここまで話題になったのは必然かはわかりませんが、とにかく魅力的な本作が埋もれることなく、また私自身看過することなく出会い楽しめたという点について喜びでいっぱいです。
これから視聴の方は1話については辛抱強く見て頂きたい。2話視聴後に刺さる方には深く深く刺さるはず。私のように。