ヤマザキ さんの感想・評価
4.3
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
たまこかわいい。
「響け!ユーフォニアム」「聲の形」ですっかり京都アニメーションファンになった私(・・・おっと、P.A.worksも好きですよ)、「京アニ作品だから」という理由でこの「たまこまーけっと」を観てみようという気になりました。キャラデザもちょっと惹かれるものがありましたし、それに「けいおん!」並みに気楽に観られそうだったし(・・・最近私生活でいろいろあって、重たいもの観たくねーですたい・・・涙)。
ジャンルとしては「日常系」「人情もの」といったところでしょうか。とはいえ、話すことができる鳥が出て来た段階で「日常」とはかけ離れるし、「人情もの」と呼ぶほどベタなお涙ちょうだいなお話ではない。う~ん、「商店街振興に頑張る女子高生モノ」とも言えるのかな?でも主人公のたまこは、うさぎ山商店街が大きく羽ばたいてほしいという「一発当ててやるゼ」的なものはなくて、せいぜい「今のままみんなが幸せに暮らせたらいいな」程度の現状維持を良しとする控えめな野心、しかない(それでも昨今の各地の商店街の廃れ具合を見れば大きな野心なのかもしれませんが)。ちょっとジャンル分けが難しい、さらに厳しいことを言えば中途半端な作品であろうかと思います。
でも楽しく観られましたよ。けっこうよかった。なぜか?それは、たまこのキャラがとてもいいから。とても可愛いから。
キャラデザがいいのはもちろん(私の好きなBUNBUNさんのお姉さんである堀口悠紀子さんがキャラデザ・原案をやっているんですね。とは言え、あまり両者の共通点は感じませんが・・・)、なにより性格的に可愛らしい。とにかく素直で、なんというか黒いところがほとんど(全く、ではありません)ない。ちゃんとギャグもわかるし、そして適度に抜けていて、そしてけなげ。こんな娘が道の向かいに住んでる幼なじみなら、そして自分に会えば微笑んであいさつしてくれるなら、そりゃ惚れるよな。なあ、もち蔵。もっとも、おじさんの年になると、「彼女にしたい」と言うより「娘にしたい」的な可愛らしさ。ああ、こんな娘がいたらなぁ。・・・それに比べてウチの娘ときたら(以下略)。
たまこの友人たちのキャラもいいですね。みどりにかんな、史織、そしてたまこを入れた4人組のほどよいキャピキャピ感、これまたいいですね。そういえば京アニは女子高生4人組が好きですね。「響け!ユーフォニアム」の北宇治カルテット。「聲の形」も硝子、植野、佐原、川井と4人組。「けいおん!」もこれまた4人組(途中から1人加わりますが)。「たまこまーけっと」を「響け!ユーフォニアム」のキャラと強引に重ねると、たまこが久美子、かんなが緑、みどりが葉月、史織が麗奈、かな?・・・あ、みどりが2人いる。紛らわしいので「けいおん!」と重ねよう。たまこが唯、かんながムギ、みどりが律、史織が澪・・・。うわーん、上手くいかないよう。
音楽にも触れておきましょう。OPの「ドラマチックマーケットライド」は、唐突かつ技巧的な転調がなんかピチカート・ファイブっぽいなあと思っていたら、『ピチカート・ファイヴの「マジック・カーペット・ライド」をもじったものと思われる』とウィキペディアに書いてありました。もっとも、「マジック・カーペット・ライド」には全然似ておりません、悪しからず。でもピチカート・ファイブをかつてよく聴いていた私にはすごく素敵な曲です。EDの「ねぐせ」もいい曲ですね。そういえばたまこの髪の毛が3本常に飛び出ているの、あれはねぐせだったのですね。それから作画。これはもう京アニ作品ですから、そのクオリティには言うことなしです。美しい、素晴らしい。もっとも、あまりに写実的すぎるとそこまで重たい作品じゃないですから、邪魔しない程度に抑えている感はありますが。
さて、この「たまこまーけっと」には、「たまこラブストーリー」という続編映画があります。これもまた素晴らしかったのですが、この「ラブストーリー」という続編を前提にするのとしないのとでは、この「まーけっと」の作品そのものの評価も変わってくると思います。そのあたりは「ラブストーリー」のコメントを書く際に述べたいと思います。近日公開予定。