おぬごん さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
異種萌え、キャラ萌えに終わらない深さ
吸血鬼や雪女などの人型の妖怪の類が「亜人(デミ)」と呼ばれる人の突然変異して存在する世界を舞台に、高校の生物教師と亜人ちゃんたちの日常を描いた作品
講談社原作の作品(それこそ「亜人」とかw)のCMでよく流れてたので、ご存知だった方も多いのではないでしょうか
さてこの作品、私はてっきり「モンスター娘のいる日常」みたいな、異種萌えをメインにしたゆる〜い日常系作品だと思っていました
その予想が全く間違ってたわけではないんですが、この作品の面白いところは「亜人が人の突然変異として存在し、それが社会的に認められている世界」をかなり突き詰めて考察し、描いている点です
大袈裟に言うと「もし亜人がいたら」という仮定に、社会科学、人文科学、生物学、物理学といった側面から考察を与え描いてるんです
「もし吸血鬼が社会的に認められてるなら、血液が国から支給されるはずだ」
「デュラハンの頭と身体の繋がりを物理学的にどう説明すべきか」
こういった考察や想像が多分に盛り込まれ、またそれらにしっかりとした説得力があるため、世界観だけでも大きな魅力となっていました
SFの基本に「物理法則を無視して良いのは一つか二つだけ、あとは徹底的に現実通りに」という物がありますが、
それを忠実かつ丁寧にこなしていたと思います
また亜人に興味がある教師を亜人ちゃんたちの相談相手として中心に据えた作りも面白いですね
この作品の亜人は、遺伝等と関係なく現れる、所謂マイノリティとして描かれています
マイノリティとしての悩みを亜人ちゃんたちが先生に相談したり他の亜人ちゃんたちと、悩んだりする構図を作ることで、亜人ちゃんたちの内面(=キャラ)と、キャラ同士が信頼関係を結んでいく過程を自然に描いていました
これには先述したような「この亜人はこんな悩みを抱えるに違いない」という考察も含まれているわけで、設定の妙が相乗効果を発揮していました
ただ、若干ぬるすぎるというか、優しい世界すぎたかなあという思いもあります
この作品の色に合わないことは重々承知なんですが、世界観がしっかり作り込んである分、亜人を取り巻く周囲の反応が現実離れしているように感じました
作中で描かれたのも、所詮雪自身の性格や美貌に起因した陰口程度でしたし…
あれだけ人との差異があれば、もっと差別がなきゃおかしい…なんて思う私は汚れすぎなんででしょうかね
キャラでは、控えめ美少女かと思いきや実はムッツリな雪が可愛かったです
声優では諏訪部の親しみやすさと抱擁力を併せ持った声がピッタリでした
あと新婚の日笠陽子にサキュバスやらせる鬼のキャスティングに笑いました…ハマってたけどw
日常モノかと思っていたら、予想外に作りこんである作品でした
※以下どうでもいい余談
私の地元の方言で「仲間になる」という意味の「かたる」という言葉があります
「かたらして!」と言えば「仲間に入れて!」という意味です
「語る」というのは「言う」や「話す」よりも、その言葉に情熱というか、心がこもった表現です
そのため語るという行為そのものが、内容を抜きに自分の内面を見せるということになります
この作品でも亜人ちゃんたちが語り、内面を見せることで先生や他の亜人ちゃんと仲を深めていきました
ひょっとして、語ること→内面を見せること→仲間になること、なのかな…?
原作者は同郷では無さそうですし、方言の「かたる」の語源も分かりませんが、そんなことを考えていました