明日は明日の風 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
京アニが描く異種間のコミュニケーション…人とドラゴンの物語
この作品を見ようと思ったきっかけ、それは「京アニ」だから。もし、京アニでなかったら、気に止めなかったかもしれません。
内容は主人公のドラゴンであるトールが、以前助けてもらった人間の小林さん家にメイドとして押し掛け、トール以外のドラゴンや周りの人々と、どたばたしながらも日常を過ごすというものです。単なるドタバタではなく悩みなどシリアスっぽいところやほっこりする人情っぽいところを入れてくるのが京アニらしいなと思います。1話完結の日常もので、ドラゴンの可愛らしさを愛でるも良いし、話を流し見るのも良いと思います。
ドラゴンにも色んなタイプが居るのね、という感じで、とにかく個性的。
トールは本来は人嫌いで破壊衝動を持つ戦いのドラゴン。小林さんLOVEになって人とコミュニケーションをとるようになりますが、それでも本心は小林さん以外の人間信用していません。自分の過去や居た世界のことで悩むこともあります。
カンナはいたずらの度が過ぎて追い出されてしまった幼いドラゴン。トールを頼りに小林さん家にやって来て、いつの間にか小林さんに居候することに。小学校に通うようになり、小林さんに触れることで性格も変わっていきます。カンナの「コバヤシぃ」は才川の「ぼへぇ~」とともに耳に残ります。
ルコアは争いから一歩引いた立場のドラゴン。トールとも仲がよく、優しい。ただし、爆乳なのに露出度の高い服を着て警備に連れていかれることもしばしば。住み込んだ家の小学生、翔太との絡みがこの作品の定番となっていました。
エルマはトールを異世界へ連れ戻すために来たドラゴン。力はトールと同等らしい。食べ物につられ、いつの間にか人間世界に住み小林さんの会社に就職していた。後半登場で出番が少なかったのが残念でした。
ファフニールは雄ドラゴンで、トールとは親しい仲。ニヒルな上に人嫌いであったが、小林さんの同僚の滝谷の家に住むようになってゲームにはまり、ネトゲ廃人のような生活を送るものの、滝谷のことを信頼するようになっていきます。
このドラゴンたちに大きな影響を与えたのが普通の人である小林さん(女性)。仕事はできて、でも疲れも溜まっていて、疲れた表情をしていることもしばしば。中身は男前でトールにも容赦なく突っ込み入れ、その逆に優しさもあり、いつの間にかドラゴンたちを引き付けてしまいます。ある意味ハーレムアニメと言えるかもしれません。
作画は京アニですから安心です。最終回のバトルシーンも安定してましたし、コミケシーンでの人の描き込みかたは京アニでないと無理でしょうし、そこまでするのかという感じです。キャラの表情や動かしかたも相変わらず上手いです。トールやカンナ、エルマの可愛らしさは京アニだから出せたのかもしれません。ガヴリールが動画工房である必要があったのと同様に、この作品も京アニであったからこそ生きたように思います。
OPは今期作品の中でもっとも好きな曲でした。EDですが、「イシュカンコミュニケーション」、しばらくの間「イッシュウカンコミュニケーション」だと思っていました(苦笑)。こちらも雰囲気に合った曲だったと思います。
ドラゴンと人のコミュニケーションを日常生活で綴るアニメです。京アニ好きな人はもちろん、ほんわかしたい作品を見たいという人にお勧めです。