カンタダ さんの感想・評価
2.7
物語 : 1.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
竜頭蛇尾
残念なタイトルである。本当に残念だ。第一話目の強烈なインパクトは、物語の途中で失速。最後には墜落。
カバネとの人類存亡をかけた戦いも、もはやオマケに過ぎなくなる。
ゾンビ映画が難しいとされる大きな要因として、物語の終着点をどこに定めるかにあると言われる。
本作品では結局、ロメロ作品に見られるように、「人間の敵は人間」というところに落ち着かせようと試みて、美馬をラスボスとして登場させるに至ったわけだ。
しかし、この美馬なる人物の設定がおざなりなため、「人間の敵は人間」という主題が持つはずの意味が軽くなり、ただのサイコパスを一人倒して無理矢理話を終わらせた。というのが実態だろう。個人的にサイコパスな悪党の棟梁を倒すという陳腐化した、ありがちな手法には食傷している。
ゾンビを扱った映画がB級になり勝ちなのもこの辺に理由があるわけだが、ゾンビものとしての前車の鐵を踏んだ失敗作である。
こうなるくらいなら、最初からカバネリの希少性を発揮して、彼らが盾となり、限られた人員と対抗手段を駆使した逃避行に終止したほうが、むしろよかったのではないか。
というのも最後は無名がカバネの脅威を一掃してしまうほどの大怪獣化してしまう。これでは怪獣>>>ゾンビの図式ができてしまい、ゾンビものである必要性を放棄して怪獣アニメになってしまい作品自体が自滅してしまっている。
結局なにがしたかったのか?製作者側の混乱が作品的自滅を招いた典型だろう。