buon さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
なくなってもついつい気になるのだろう、心中お察しします
与太郎の愚直さと前向きさは周りを元気にするなぁ
人と人との繋がりってのは温かい血のつながりのようで
一方では呪いの様なもの
自分一人で生きるだけでどえらい大変なものなのに
二人の亡骸を背負うことになり
一人の命を預かってしまい
一人ののら犬を拾ってしまった
人なのか畜生なのか分からなくなりそうです
命の重みには大小がないなどと
聖人君子のごとくきれいごとは言えませぬが
背負う側が気負ってしまうことがございます
時代が移り変わる中で
一芸を一身にしょい込んで生きてきた八雲
彼は何人もの命を望まずとも背負い
気まぐれで拾い上げてしまいました
時は流れ
のら犬は立派な真打となり
その彼もまたたくさんの命をしょい込むことになる
八雲が預かった命は親愛なる友人と愛した女性との娘
その娘が大きくなりいい年ごろになったとき
どこぞ馬の骨とも分からぬ輩との間に子供をつくった
結婚もせずに一人で育てるとのたまう
のら犬の与太郎はその娘にこう言った
「おいら、その子の父親になれねぇか」
「正直先は何も見えねぇ、けど今この足りねぇ頭で考えられる最善の策だ」
「そっからだって案外、夫婦なんてぇのはなってみりゃなれるもんじゃねぇの」
のら犬はすっかり立派な父親になりました
話は以上です
落ちも何もないですが、それは本編でお楽しみください
落語心中も二期となり、
中心となる噺家も愛憎の渦も変わってゆきます。
正直、{netabare}与太郎の『居残り』は想像していたものを上回ることは叶いませんでした。
欲深き観客です。
最後の死神{/netabare}は良かった。
人は誰しもが業を背負う。
そんなやつでも前向きにも後ろ向きにも一生懸命生きている。
ちょいといき苦しくはなります。
嬉しく涙することもございます。
そんな落語の様なおはなしでした。