おぬごん さんの感想・評価
2.7
物語 : 1.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 1.5
状態:観終わった
餅は餅屋(※酷評注意)
名作ギャルゲー「アマガミ」のイラストレーター・高山箕犀による、アマガミと同じ輝日東高校を舞台とした、アマガミと同じヒロインアンソロ式のラブコメ
アマガミのヒロインの1人である七咲逢の弟で、アマガミにも登場していた郁夫が高校生として主人公の友人で登場するあたり、アマガミから5〜10年ほど後の世界の話みたいですね
アマガミは当時の男子にかなり人気がありましたので、期待していた男子諸君も多かったのではないでしょうか
ところが………
ストーリー、キャラクターともにとにかく生理的に気持ち悪く不快だった印象です
特にナヨナヨした変態サイコ主人公と、シカやらガソガルやらイナゴマスクやら寒い小ネタを振りまこうとする点が本当に無理でした…
アマガミの魅力って、半分とは言わないまでも4割くらいは橘さんの紳士さじゃないですか
あの決して自分を重ね合わせられず、尊敬さえ覚えてしまうレベルの男らしさとぶっ飛んだ変態さ
それが今作の主人公には一切なく、上辺の変態さだけをなぞったようなキャラ造形には怒りさえ覚えました
攻略ヒロイン3人もポテンシャルはあるのに、ストーリーや主人公のせいで魅力を殺されてしまっていた印象です
特に先頭バッターの常木さんは、処女ビッチというオタクホイホイの属性を持ちながら、メイン回の4話に加えその後の話でも損な役回りを演じさせられていてそれが顕著でした
攻略ヒロインを他ルートで不快なキャラにしちゃダメでしょ…
あとこの作品、今回メインを務めた3人を含め、今後のメディアで攻略対象になりそうなヒロインが全員ロングヘアーなんですよね
髪が長ければセイレン潔白なんですか?視聴者馬鹿にしてんのか?(ショート派)
…さてどうしてこんなことになったかという話ですが、先述のとおり、本作を手掛けているのはアマガミの「イラストレーター」である高山箕犀です
その高山さんが本作で担っているお仕事を見てみましょう
・原案
・キャラクター原案
・キャラクターデザイン(細田直人と共同)
・シリーズ構成 ←!?
・脚本(全話) ←!?!?
そうなんですよ!この作品、イラストレーターが話を全部書いてるんですよ!!
キャラクターデザインにはしっかり有名所を据えてるのに、なぜシナリオに本職を入れなかった!?
確かに昨今、特に麻枝准のAngel Beatsと虚淵玄のまどかマギカのヒット以降、ゲームのシナリオライターやラノベ作家等、他分野の作家がシナリオを担当するアニメ作品は増えています
肥大するアニメ市場に、他のメディアのアイディア、エッセンスを混ぜようという試みは理解できますし、それら全てを否定するつもりはありません
が、やはり彼らはアニメについては門外漢なわけですから、アニメの専門家を付けてアシストしてあげる必要があると思います
ましてや今作に至っては、作者がそもそもシナリオ屋ではないイラストレーターなんです
シナリオを世に送り出したことのない人に全てのシナリオを任せるなんて、これは高山さん本人ではなく、プロデューサーなどもっと上の、企画レベルの人間が無能と言わざるをえません
ボカロPに全脚本を書かせた「メカクシティアクターズ」から何も学ばなかったんでしょうか…
ここ最近、特に昨年は女性向け作品は盛り上がりを見せたものの、男性向け作品はかつての隆盛を考えると、かなり行き詰まっている印象があります
ですので企画側も苦労をされているんでしょうが、最低限の常識的な判断をお願いしたいものです