カンタダ さんの感想・評価
2.6
物語 : 2.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:途中で断念した
安易なトラウマ克服
ちはやふるに限ったことではないが、主要人物らのトラウマの克服があまりに安易に扱われていることが納得できない。この作品もその好例の一つだ。
大好きだったものができなくなる、打ち込んでいたものが嫌いになる、というほどの深刻な精神の痛手は、それを克服するには相当な労力と時間がかかるもので、それでも思うように回復しないからこそ苦しむのであり、であるからこそトラウマを乗り越えるなり、克服することの意味が輝く。
{netabare}夢を捨て、古い親友らを頑なに拒否するほどの{/netabare}深いトラウマを背負ったにも関わらず、あっさり克服してしまうのは、つまり、作者の人物の掘り下げがいかにおざなりにしているかの証拠ではないか。
そうでないのであれば、作者は今までにトラウマなどの心の問題と真剣に向き合う経験をしてきてはおらず、深刻な心の問題を知らず識らずのうちに雑に扱ってしまっていることになる。
それが透けて見えたので、すっかり観る気を失ってしまった。が、高校生くらいなら楽しめるかと思う。