カンタダ さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
傑作
タイムリープを交えた体は子供、頭脳は大人なサスペンスだが、これは久しぶりの「アタリ」作品。文句なしに他人に勧められる。
何よりまず物語がよく練られていて、物語が無駄なく進行し、話に一本の筋がしっかりと通っているため観ている側に余計な混乱を招かず、話がすんなり入ってくる。
また登場人物も深く掘り下げられており、原作者の人間理解の深さがよくわかる。人物設定も意識して分けられており、設定を煮詰めずに課した役割が重複してしまい、誰が誰だか解らなくなるようなこともなく、役割分担がしっかりしているため人物がかぶって見えることもない。それぞれに人格の設定まで考えられている証拠だろう。
物語に関して言えば、特に印象的なのが大人の子供に対する真剣な姿勢だろう。物語ではそれを担当するのが主人公の母だ。子供の一途で一生懸命を、それが稚拙であっても決して嗤わず、しっかりと受け止めそれに応えようとする姿は、観る者の心を震わせる。子供の心を漏らさず汲み取ろうと見守り、成長を喜ぶ親心を見事に描いている。自分の親にも観てもらいたいものである。
ここまで手放しで褒めて終わってもおもしろくないので、一つケチをつければ、成人時の主人公の声優さんが下手なのが気になった。調べてみれば、満島真之介氏という俳優さんであった。「またか・・・」という気分にさせられたのは言うまでもない。