Progress さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
あなた自身の願いのために
この作品は何を見る作品だろうか?
多分この問いはいろんな答えがあると思う。
私はこの作品をシンジ君の成長を見る作品だと思っている。
つまり作品の話を動かす動力はシンジ君自身だ。
そのことを踏まえて書こうと思う。
作品世界を動かすのは何だろうか?
登場人物が作品の世界を動かしている。当たり前だろう。
じゃあ、シンジ君を動かすのは何だろうか?
登場人物か?敵か?友人か?
シンジ君に干渉するすべての存在がシンジ君に影響を与える。
だが、シンジ君を動かすのはシンジ君自身じゃないか?
どんなに他者に干渉されようと、命令されようと、それを決めたのはシンジ君だ。
シンジ君がどんなに逃げようと、引きこもろうと、責任を押し付けようと、自分が決めたことで起きた事は自分の責任だ。
それが自分に全く利益がなかったとしても。
だからこそ、誰のためでもなく自分の願いの為にというミサトさんの叫びが一層重くのしかかってくる。他人の願いのために自分が責任をこうむったら、きっとシンジ君はこの世界をまた嫌いになるだろう。主体性を持つことによって、まっすぐに生きて欲しい。
またシンジ君は父親に認められたいという気持ち、他者への承認欲求で動いている節もあるが、それもどこかで他人のためにという気持ちが働いてしまっている。求めているのは、シンジ君自身のために、シンジ君が願いを持つということだ。それによってシンジ君は行動に原動力を持つのだと思われる。今までは言われるがままだったが、シンジ君が自分の願いのために、誰の指図でもなく自分から行動できることがシンジ君の成長の終着点ではないだろうか?
そんなメッセージがある作品だと思っている。
こんな感じに、シンジ君への共感を通して、のめりこむことが出来る作品だと思われる。
もちろんガワの部分を楽しむものだという意見もあると思うが、それは私以外のレビューを参考にしていただきたい。ガワと本筋は別物としてはっきりととらえられる作品。