明日は明日の風 さんの感想・評価

3.6
物語 : 4.0 作画 : 2.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

どのように感じても、どのように見ても楽しめる不思議な作品…行き着く先は「たーのしー」」

まさか、この作品が大きな話題になるとは１話を見てまったくといって良いほど感じませんでした。安っぽい作りに、表情も３つくらいしかないような描写、語彙が少なく、何がなんだかわからない。そんなこと簡単にできるか！というような細かいことは気にせず展開する話。ただ、可愛いことだけが取柄みたいな。なので、１話を見て後は録画してまとめ見ようと考えていた矢先、なんだかネットで話題になっているではないですか。はて？なぜ？と思い、録り貯めていた回を見てみると…なるほど、多くの人が引き込まれるのも分かりました。

この作品はどのように見ても楽しめる構成のような気がします。これがたまたまなのか、製作スタッフの狙いなのかは分かりません。製作陣がここまで話題になるとは思わなかったと言っているようなので、たまたまなのかもしれませんが…。

まずはキャラの可愛らしさを愛でることができます。とにかく出てくる出てくるフレンズたちが愛らしい。動物たちの特徴と、それを女の子に擬人化してみたらこうなるかなと練りに練って考えられたのだろうなと思います。

次に、難しくない優しい言葉と内容。一話完結を繋ぎ合わせているので、次がどうなるというハラハラもしなければ、難しく考える必要もありません(これを逆手にとって考察させる要素も面白いです)。また、「けものはいても、のけものはいない」世界ですので、ただただ楽しく見ることも可能です。

次にRPG的な要素。けっこう、これにハマっている人が多いように思います。RPGというより、ロールプレイングゲームと言ったほうが良いかもしれません。ジャパリパークとはどんな世界なのか、かばんとは何なのか、フレンズって何なのか、ボスは、セルリアンは…こういった謎となる要素がちりばめられ、ダンジョンでイベントをこなし、会話をして、そこにヒントが隠されていて、次回にはまた同じことが繰り返されて、新たなヒントが積み重なる。積み重なったものを考察することで、謎を解き明かしていく。おそらく、最後の最後まで見ないとすべての謎が解決されないわけで、一度ハマったら抜け出せなくなるのはまさにゲーム感覚。

この作品、本当に良くできているように思います。まもなく最終回を迎えますが、内容についてはすべて終わってからにしたいと思います。

【全話終了】
最後の２話、これにはやられました。ゆるゆるでずっと来て、急なシリアス、そして大団円。本当に上手です。さらに惚れたフレンズさんたちがわんさかいそうです。「友情もの」という要素も加えましたか。

通してみてみると、よくできてはいますが、ほかの作品と比べても凝っている感じは受けませんし、狙っている感じもしません。でも多くの人がひきつけられ、フレンズ化してしまいました。自分のその一人ですが、よく分からないんですよね。そこが良いのかもしれません。

ゆるゆるだった展開と内容、結局セルリアンの正体も分からず、ジャパリパークの存在も明らかにならないまま、いっぱい謎も残りました。なのに終わってすっきりするという本当に不思議な作品でした。まるで「こまけぇことは良いんだよ、楽しめりゃそれで十分だろ！」と言われているようで。そだ、この作品の名言を思い出せばいいんだ

「たーのしー」

これがこの作品の最大の魅力なのかもしれません。そう、流し見てもいいし、深く考察してもいいし、視聴者がとにかく楽しめればいいということで勝手にまとめます。かなり評価高めに書いてますが、そのわりに評価点数高くありません。点数で計り知れない魅力があったと理解してください。

この先も展開がありそうで楽しみです。

どんなタイプの人にも楽しめる作品でなないかと思います。