「3月のライオン(TVアニメ動画)」

総合得点
80.3
感想・評価
981
棚に入れた
4882
ランキング
464
★★★★☆ 3.9 (981)
物語
3.9
作画
3.8
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
3.9

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

要 塞 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

将棋が紡ぐ青春の縁

 まさか、シャフトのアニメをNHKで、
しかも、総合テレビで視聴する日が来ようとは・・・。
しかも、ガチなキャスティングでの実写化も決まるような原作。
 おもしろくないはずがない!

 将棋を題材にした作品は数あるが、
この作品はその中でも本格の部類に入ると思われる。
現実世界でも最近何かと話題の将棋連盟、じゃなくて将棋だが、
実際指せる人が減っているとか、いないとか。
自分の周りでは大昔に、友達同士での対局がブームになったが、
今はもう、頼んでも誰も指してくれないだろうなあ・・・。
 そんな知的スポーツに軸を置いているこの作品は、
将棋の啓蒙にぴったりの陣容となっている。
駒の動かし方や、ルールを知ることもできるし、
プロ棋士同士の対局の要領もうかがえ、
NHKでよく放送されている将棋中継の見方も、
大きく変わることだろう。
少なくとも、「なんだ、将棋か」と言って、
瞬時にチャンネルを変えることはなくなるはずである。
 そう、つまりこの作品は、
将棋に興味がない人でも、興味を持たざるを得ない、
孤独な盤上の真剣勝負を魅力たっぷりに描いているのである。
 
 また、将棋というコンテンツを扱っているため、
作中において「勝負」という要素は避けられないし、
もちろん重要ではあるのだが、この作品の魅力はそこだけではない。
孤独な主人公と、その周囲の複雑な人間関係が織りなす、
「人間ドラマ」としての要素も絶品なのだ。
というより、そちらのほうが本筋なのかもしれない。
 戦いの世界を生きる、精神的に孤独な主人公が、
その生業である将棋や、その他のいろいろな出来事を通して、
多くの人々と出会い、成長していく。
社会の仕組みや、人間の在り方、世間の非情、
そして、温かい人情などについて、深く考えさせる複雑な精神描写が、
時に暗鬱に、時に明朗に描かれている。
まさに『重厚』の一言である。

 将棋が好きな方はもちろん、ルールすら知らないけど興味のある方。
孤独な戦いの世界に身を置く方、強いライバルがいる方。
人生において一人ぼっちになる機会が多かった方、
などにお勧めの注目作である。
Eテレでの再放送もあるようなので、未視聴の方は是非お試しを!

投稿 : 2017/03/19
閲覧 : 173
サンキュー:

9

3月のライオンのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
3月のライオンのレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

要 塞 が他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ