蒼い✨️ さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ボクらは宇宙のザンネンファイブ!
アニメーション制作:動画工房×オレンジ
2013年4月 - 9月に放映された全24話のTVアニメ。
劇場版の前日譚の第25話が制作会社を変えて2016年9月に追加放映されました。
監督に元永慶太郎、キャラクターデザインに平井久司。
シリーズ構成に吉田玲子。軍事・SF考証に鈴木貴昭。
などなど、クリエイターを集めて本格的なロボットアニメを志したオリジナル作品です。
【あらすじ/概要】
未来世界で人類が太陽系の開発に乗り出していたのだけど、
謎の宇宙人「ウルガル」の軍隊に襲われて人類の勢力圏が後退の一途。
「ウルガル」の目的は地球人類の殲滅であり、それを防ぐために人類は戦っている。
しかし、既存の地球兵器では歯が立たないので全地球防衛軍「GDF」は、
闘うための能力を向上させた人間を遺伝子操作で人工的に作り出して、
彼ら専用のロボットに載せて、宇宙人と戦わせるというプロジェクト「MJP計画」を決行。
「グランツェーレ都市学園」遺伝子改造された少年少女がパイロット候補生として教育される機関。
「チームラビッツ」資質は高いものの、性格が原因で成績的には落ちこぼれな少年少女5人組の学生チーム。
「ザンネン5」とも呼ばれるこの5人が最新鋭ロボに最も適した能力を持っているとしてパイロットに選ばれ、
実戦部隊に配備。宇宙でスタッフや戦友たちと交わりつつ、地球を守るために戦うという物語です。
【感想】
制作された年代にしてはストーリーの進行が90年代アニメのようにゆっくり。
ロボアニメなのに戦わない日常回もあったりで、人と人の交わりが多めに描かれています。
主人公たちは日常コメディアニメのような三枚目な性格で、日常でも戦場でも良い子。
主人公たちの専用機体それぞれに専属のスタッフと整備艦が存在しているなど、
やたらと登場人物が多く、様々な人間に支えられて戦っている主人公たちといったふうに、
群像劇のスタイルなのですが、殆どの登場人物の性格に目新しさも尖った部分もクセも無くて、
特に思い入れのあるヒーローやヒロイン的なキャラが自分には出来ませんでした。
作中では、主人公が『ヒーロー』を連呼していましたけどねw
キラ・ヤマトがファンもアンチも両方が多かったように、
戦闘アニメには、そのようなキャラが必要悪なのかもしれません。
この作品の空気には合わないかもしれませんけどね!
日常シナリオに定評のある吉田玲子ですが、『ハイスクールフリート』でも思ったのですが、
オリジナル作品ですと浅くたくさんのキャラを動かす感じで、ひとりひとりの印象が薄いですね。
『ガールズ&パンツァー』では、キャラ付けがまだ上手く行ってたかもしれませんが。
やっぱり、原作付き日常アニメでこそ活きる人材なのかもしれません。
ロボットの戦闘シーンは個性を持った機体がチームを組んで役割分担をした共同作業であり、
作画・戦闘描写ともに気合が入ってました。動きが速くて目で追うのが大変でしたが。
SF兵器の兵装の数々とか地球の戦力を結集した艦隊戦とか、
なかなかにロマンに溢れていて、そこがこのアニメで一番に良かったところですね。
個々のスタッフは自分の領分で仕事をしていましたが、
『マクロスフロンティア』における歌と三角関係みたいな、
いろいろなヒット作にある、その作品特有のオンリーワンなファンの心を掴む要素が欠けていて、
ただ単に目の前の映像を眺めるだけな感じに、私の場合は終わってしまいましたのが残念でした。
戦闘がウリで、そこは良かったのですが、
キャラの掴みが弱くてシナリオ面が優等生過ぎて面白みに欠けると思いました。
丁寧な作品には違いないですけどね。
この作品とは正反対な『革命機ヴァルヴレイヴ』みたいなアニメにすれば良いとも思えませんけどねw
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。