「劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ(アニメ映画)」

総合得点
89.2
感想・評価
2607
棚に入れた
13632
ランキング
88
★★★★★ 4.1 (2607)
物語
4.0
作画
4.0
声優
4.2
音楽
4.0
キャラ
4.2

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ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 2.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

設定の世界観のリアリティを下げてしまったかも。

世界観:6
ストーリー:5
リアリティ:4
キャラクター:7
情感:5
合計:27

(略)そして今回、「シュタインズ・ゲート」は劇場という舞台で、
まだ誰も見たことのない結末へと収束する-。
制作にあたりTVアニメスタッフが再結集すると共に、原作MAGES.がストーリーを完全監修。
本編トゥルーエンドの“その後”に起こる事件を、完全新作で描き出す。
2013年春、いま再び、「シュタインズ・ゲート」の世界線が動き出す。
(公式サイトより)

最近の環境において、なかなか1クールものを見るほどの時間を確保することもできないため、劇場版を観ていくことを思いつき、TV版がお気に入りとなっている当作をピックアップしてみました。

実を言えば、キャッチしている方の評価(概ね星の数が3~4の間)は以前より見えていたので、期待はしていなかったのですが、私の評価も並作という位置に落ち着きました。

この作品であれば当然、劇場版でもタイムマシンやタイムリープが出てきます。時間を題材とした物語であれば美しい伏線回収や驚きの感動展開を期待したくなるのですが、そういう部分に訴えるものがないです。ファンのための映画にはなっているかと思いますが、ストーリー的に蛇足としても差し支えなく、「人気が出たので劇場版作ってみました」という作り手の声が聞こえてきそうな内容でした。

また、設定に釈然としない部分がありました。最大の課題として、{netabare}岡部が経験した過去の世界線での記憶が脳に強烈な負荷を与えるとして、岡部が最終的に辿り着いた世界線(シュタインズゲート世界線)に存在できなくなるというのはどういうことなのか。岡部が過去の残像を見ることで発狂して文字通りの狂気のマッドサイエンティストになるだけならリアリティがありますが、存在が消えるというのは、ここまで見せかけでも科学の土台に乗せているような演出をしてきたことを台無しにしているように思えてなりません。

また、岡部のリーディングシュタイナーは設定として認めていましたし、ストーリー上も特別の存在として扱われてきたと思うのですが、タイムリープを行った紅莉栖にもリーディングシュタイナーに近い能力が得られた点もご都合展開のような気がします。それから、紅莉栖がホテルで不審者からの声を聞くシーンで、話し方から鈴羽だと勘付いたのですが、直後に鈴羽であることをばらす演出に不満あり(笑)。鈴羽についても、相変わらず動機がよくわかりませんでしたね。シュタインズゲート世界線の未来からやってきたとすれば、岡部がいなくなっているので、岡部の存在に関する記憶を鈴羽も持っているはずがないのでは?(タイムマシンは世界線上の過去に遡ることはできても、世界線を移動することはできないのでは){/netabare}

と書いていると、私がTV版の内容をしっかり理解できていないような気がしてきました(言いがかりをつけているだけとしたら高評価されているファンの方には申し訳ない)。一方で、ファンであればもっと不満を持ってしまうおそれも感じたところです。

劇場版の前にOVAの25話を見まして、これはもっと短時間ですし、TV版では物足りなかった岡部が報われるストーリーで良かったです。ここでも、他の世界線の記憶が夢などによって残っているような描写がありまして、ようやく以前メッセージで頂いたコメントの意味がわかりました(TV版だけ見ただけの自分に言ってもわからなかったよ)。

(2017.3視聴→2017.6調整)

投稿 : 2017/06/09
閲覧 : 370
サンキュー:

34

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