◇fumi◆ さんの感想・評価
4.9
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
目がくらむほどの体いれかわりロマンス(英)類い稀なすれ違いの物語(仏)
太平洋戦争中、東京大空襲の夜、避難する人々の中、見知らぬ男女が知り合う。
数寄屋橋までたどり着き、大混乱の中二人は一夜を明かす。
お互いに生きていたら、この橋で会う約束をし、名も知らぬまま別れる。
しかし、会うことはかなわず月日は流れ・・・
1952年~1954年にかけてNHKラジオで放送されたドラマ「君の名は」
1953年~映画化3部作 6時間以上 主演 岸恵子 佐田啓二
その後、4度テレビドラマ化。62年 66年 76年 91年
2016年 「君の名は。」 劇場版アニメ 完全オリジナルストーリー
原作監督脚本 新海誠 制作 コミックス・ウェーブ・フィルム
配給 東宝
東京四谷に暮らす男子高校生立花瀧、岐阜県飛騨に暮らす女子高生宮永三葉
会いたくても会えない、(会ってるけど)二人のすれ違う青春の物語。
新海監督は間違いなく「秒速5センチメートル」の時点でこの作品を構想していたと思われる。
会えなかった二人は、不幸ではなかったけれども、視聴者へのメッセージは確かに届いていた。
問題はどう肉付けするかと言うことになるが、
嬉しいことに彼がこれまでかかわらなかった深夜アニメの研究の成果がここに結実する。
ちょっとエロ、ちょっとBL、ちょっと憧れ、ちょっと恋、ちょっと青春、ちょっと不思議、ちょっとSF、そして東京大空襲ならぬ信じがたい出来事。
二人を引き裂く大事件そして、少女(少年)は走る飛ぶ。
いつか出会ったとき二人はその言葉をかけるだろう。
感動するとか落涙するとか、従来の感動を超えた国家的、いや国境を越えた心を満たすいまだかつてない瞬間を劇場で観たような気がします。
そして、小学生から後期高齢者まで、男女ほぼ半数の観客がおだやかに「もう一度来ようか」と言いながら出ていくのを見ていた。
邦画動員記録第二位(一位は千と千尋の神隠し)海外での邦画としては史上最高のこの作品がアンダーグラウンド芸術から生まれたことはだれの目にも明らかだろう。
手書きで友人が声担当の「ほしのこえ」から深夜アニメと距離を取りつつ、深夜アニメそのもだった新海誠のマイルストーンである。
観た人ならわかるだろう。これが目標ではない。
この作品のエンディングは閉じていないのだ。
追記
設定の破綻、ストーリーの理不尽さ、
それは、原案「君の名は」があるからです。
6時間の映画を観る必要は無いと思いますが、
国民的ストーリーの新しい原型になる作品であるという理解もありだと思います。