◇fumi◆ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
マスコットと契約した12歳の少年少女達が悲劇の魔法少女風に戦うロボット物
2007年放送のテレビアニメ 全24話
原作 鬼頭莫宏 監督 森田宏幸 制作 GONZO
西暦2030年の日本が舞台となるロボット戦闘SFアニメ
コミック物にありがちな連載中のアニメ化であるが、
作者と監督の相談により、アニメ版の後半は森田氏主導のオリジナルとなる。
15人の少年少女が謎のマスコットキャラ「コエムシ」に騙されるような感じで、
巨大ロボット「ジアース」のコクピットに乗り込み、敵ロボットと戦う。
ジアースは身長500mと言う巨大なもので、コクピットも20mの広さがある。
この戦闘はパラレルワールドの人々との戦いであり、負けた方の宇宙は消える。
ひとつの戦いに勝ったとしても、命の代償が必要とされる。
この過酷な設定を、作者の鬼頭は魔法少女物から得たと言っている。
15人の少年少女は中学1年生と小学生であり、
その過酷な運命を残酷に描くことが作者的には見せ場なのかもしれない。
アニメ版
{netabare}森田監督はこの原作は嫌いだと発言して物議をかもした。
後半、ラストに近づくにつれて残酷性で見せた物語が熱血系にシフトする。
パラレル宇宙規模のSFストーリーが、
自衛隊やヤクザなど矮小な存在と対等に描かれてしまうこと(セカイ系の崩壊)に違和感と言うか、制作側の理解不足が見えてしまったように感じた。
2つの宇宙が激突する超超巨大現象に大人だからとか言い出したら興がそがれる。
ヤクザなんて小学生以下の存在だろう。
前半のパラレル大宇宙セカイ系巨大ロボット残酷物語が、
くだらない大人の身勝手に蹂躙されるのは、物語としてもチープだった。
暴力団員や政財界の人物はアニメ版にしか登場しない。
上手く作れれば(相当難しいが)名作になっただろう作品。{/netabare}
原作の流れを踏襲した15話くらいまでは、相当高レベルな作品だったと思う。
中学1年生の搭乗員たちに限れば、リアルで美しく、感動的である。
一見の価値はある、と力説したい。
この時期はGONZOの最盛期で、4月から4本のテレビアニメを制作した。