蒼い✨️ さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
今日も社畜はがんばるぞい!
アニメーション制作:動画工房
2016年7月4日 - 9月19日に放映された全12話のTVアニメ。
原作は得能正太郎による『まんがタイムきららキャラット』で連載中の漫画作品です。
【概要/あらすじ】
『スターオーシャン』『ヴァルキリープロファイル』で知られる“トライエース”の元社員である原作者が、
3年間の勤務経験を元ネタにしたものに加えて、家庭用ゲームの3Dキャラのモデリング作成を専門に請け負っている、
ゲーム制作会社の“フライトユニット”を取材して描いた、
新入社員のお仕事日記+女の子の日常という体裁の作品のアニメ化。
涼風 青葉(すずかぜ あおば)
主人公。高卒。大好きなRPGで憧れのゲーム会社“イーグルジャンプ”に採用されて夢いっぱいの18歳。
真面目で前向き。憶えることもいっぱいあるけど、先輩は全員優しくて嫌な人が一人もいない。
どんどんスキルを身に付けて、睡眠時間を削ってでもマスターアップ目指して会社のために尽くします。
『今日も一日がんばるぞい!』
【感想】
原作は単行本5巻まで読了。
時系列が微調整されていますが、ほぼ原作の内容がそのままに丁寧にアニメで再現されています。
リアルでは人が集まるところ、軋轢や行き違いが生じるものでして、
人間関係のギスギスを徹底的に排除したというところで社会人ドラマの毒の部分を徹底的に抜いており、
対人関係においてはノーストレスの女だらけの理想郷を作っているというところは、
きらら系のカラーに染まりきっているのでしょうね。
現実ではオタク気質の男性でほぼ占有されているゲーム業界なのにも関わらず、
化粧品メーカーでもあるまいし登場人物が女しかいないというのも不自然極まりないですね。
原作を読むと、“イーグルジャンプ”は普通に男女両方採用している会社であり、
単に男性社員を読者の視界に入れないようにしているだけであり、
青葉が在籍している制作チームのディレクターであるメガネ女が部下に可愛い女の子を集めるのが趣味で、
中途半端に男を入れると人間関係が壊れるから全員女にしているとかで、一応言い訳作りはしていたのですが、
アニメで見る限り、確実にエントリーシートの時点で男性を問答無用で刎ねてる女性専用企業ですね。
まあ、リアルでは男性が請け負っている職業を女性に置き換えているアニメなんていくらでもありますので、
そこのところはフィクション・ファンタジーとして適当に流すのが良いのでしょうが。
でもさあ、通行人まで男がいない。いても、背景と同化してるってのはやり過ぎな気もします…w
まあ、顔と声とセットで出ている男性キャラが一人だけいるのですが、幼児ってのが!
女性キャラの恋愛対象になりそうにない年代やキャラ付けで男を出せばいいじゃないと思ったりもするのですが、
作者には作者の考えがあるのでしょう。
リアルにしすぎて志村新八みたいなメガネが主人公で、
登場人物の全員がオタクメンズ。職場が罵声で溢れかえっているギスギスした“NEW GAME!”なんて、
需要がないでしょうしね。私は見たいですけどねー。
登場人物が全員男でも成立する業界モノに美少女のきぐるみを着せて作者の考える美少女会話をさせて、
パンツ丸出し女とかお風呂とかで、あざとい萌え要素ちりばめてる作品ってのが私の正直な印象。
登場人物は本当は全員が男であり幻覚で女に見えているなんてネットでネタにされていましたが、
実際見てみたら、女社会にする必然性のない萌えキャラ寄りのキャラ付けだらけで、なるほどと思ったり。
原作を読む限りでは仕事に関して結構に真面目な感じもありますが、
仕事アニメと萌えアニメの食合せのバランス取りのテストケースとして興味深いですね。
気になったこととして、
女であることを抜きにしても主人公の涼風青葉は非常に優秀な人材。
協調性。勤勉さ。向上心。学習速度。高卒の未経験者にしては出来過ぎ。
理想的過ぎる部下なのでトラブルを起こしようもない。
周りも全員いい人なので人間関係でカリカリすることもなく喧嘩一つ起きない。
となると仕事アニメとして話の幅が広がらない。
可愛い、萌え、一生懸命を強調したところで、
そんなの適当に女子校を舞台にした日常アニメでいいじゃんって感じが。
名台詞も無くて人間描写もとくに普通なので感銘・感動も起こりませんが。
単調だと作者も思ったのか、
青葉の親友でトラブルメーカー気質の桜ねねがレギュラー化。
『SHIROBAKO』のタローをロリっ子にして、仕事に関するパラメータを上げまくった感じ。
話を動かす狂言回しとして便利使いされてるなって感じが。
ん?良い子ちゃん過ぎる青葉より、ねねが主役でいいじゃない?と思ったり。
でも、ねねは主人公はれるようなキャラじゃ無かった。。
原作では、それぞれのキャラに過去の掘り下げを試みたりでキャラ付けや、
仕事に関する話やら、新キャラ投入でギスギス感を入れようとしたりなど、いろいろ考えて話を作っている模様。
個人的には格別に満足できる内容ではないですが、見守っていこうという気にはさせてくれる作品ではありました。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。