pikotan さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
私にとってもデカルチャーだった
初回放送をリアルタイムで見た世代の感想です。
超時空要塞マクロス(以下マクロス)は、私のアニメ視聴暦の中で恐らく最も衝撃を受けたであろう作品です。
マクロス以前のロボットアニメと言えば、その多くは人型合体ロボが地球侵略を企む敵と戦うというものでした(ガンダムのような戦争物もありましたが)。そのようなロボットアニメのテンプレを打ち破ったのが、マクロスだと個人的には思っています。
マクロスとの出会いは偶然で、日曜日にたまたまTBS系列のチャンネルを見ていたら初回スペシャルが始まったんです。
当時はネットも無いですし、子供なのでアニメ雑誌も中々買えませんから、事前情報が何もない中で、それまでのロボットアニメと異質なマクロスには、すぐに興味が沸きました。
まず衝撃的だったのはリアルなメカデザインです。
子供の頃、私は戦闘機が好きで、新谷かおる先生のファントム無頼やエリア88を愛読していたので、F-14似のバルキリーが{netabare}変形してガウォークやバトロイドになる{/netabare}様は興奮しました。
またゼントラーディやメルトランディ側のメカデザインも秀逸で、それまでのロボットアニメとは次元の違いを感じました。
更に驚いたのは戦いだけではなく、{netabare}歌や恋愛{/netabare}が物語の重要ポイントであるなど、ロボットアニメの枠に納まらない壮大なスケールに、私の心は鷲掴みにされました。
また、羽田健太郎さんの音楽もどれも素晴らしいものでした。
今でも「好きなアニメは?」と聞かれたら、「沢山あるけど、とりあえずマクロスシリーズ」と答えています。
一方、マクロスが苦手という人からは、{netabare}戦闘時に歌う{/netabare}意味が分からないという話をよく聞きます。
でも、先の大戦時に日本では敵側の歌や言葉が禁止されましたし、現在でも日本のサブカルチャーが世界中に日本好きな外国人を生み出していることを考えれば、文化の力は偉大なものだと分かります。「ペンは剣よりも強し」というやつです。
そう考えると、{netabare}文化を持たない異星人が地球の文化に触れ「デカルチャー!!」って叫び、戦闘意欲が低下する{/netabare}のも有りじゃないでしょうか。
間違いなくマクロスはその後の多くの作品に影響を与えた、エポックメイキングな作品の一つであると思います。
残念なのは作画だけでした。