りょうへい@アロエ さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
物事を楽しむということ
この作品には、いろいろな名言というか、当たり前のことなのに、忙しくてつい忘れてしまいがちなことを思い出させてくれます。
特に、自分が共感したと感じるのは、{netabare}第9話。
アリシアさんの師であるグランマに会いに行く話です。
藍華は「立派なプリマになれるように助言をいただきたい」とグランマに求めます。
グランマは、アリシアは藍華たちからどう見えるのかを問います。
このとき藍華は、「きっとグランマの一番弟子として、血のにじむような努力を重ねたから、アリシアさんはアクアのウンディーネとして一番の星になれた」と答えます。
しかし、グランマは、アリシアさんが今の地位を築けたのは、彼女自身がなんでも楽しんでしまう名人だという、たったそれだけの理由だと、意外な返答をするのです。
でも、きっと楽しめることばかりではない、苦しいことや悲しいことだってあるはずと藍華は考えます。
しかし、グランマは
「(苦しいことや悲しいことは)より人生を楽しむための隠し味だと思えばいいじゃない。自分の中で変えてしまえばいいのよ。何でも楽しんでしまいなさいな。とっても素敵なことなのよ、日々を生きてるっていうことは。」
「がんばっている自分を素直に褒めてあげて、見るもの聞くもの触れるもの、この世界がくれるすべてのものを楽しむことができれば、このアクアで数多輝くウンディーネの一番星になることも夢じゃないわよ。とっても簡単なことなのに、みんな忘れがちなのね。」
と3人にいうのでした。
アリシアさんは別の話で
「どんなに豊かでも不幸な人はいるし、どんなに貧しくても幸せな人だっているわ。結局本人次第なのよね、幸せを決めるのって。灯里ちゃんが素敵だから、この世界がみーんな素敵なのよ」
とも語っています。
この2人の考え方の根底にあるのは、物事は楽しくとらえることができるかは自分次第だということ。
自分が幸せか不幸かなのも、自分のポジティブさ、前向きさ次第なのですね。
実はここ2か月、私は転職活動をしていました。
そのとき、自分はこの言葉通り、転職活動を「楽しませて」もらいました。
もちろん楽しいものではありません。
仕事の休みのたびに、スーツに着替えて朝から夜まで転職活動。
何十社も書類選考で落ちて、何十社も一次面接でお見送りになりました。
適性検査で落ちたことだってあります。
普通に考えて、楽しいものではないです。
一方で、転職活動中に、いろんな人に出会え、いろんな考え方に触れることができました。
転職アドバイザーさんから、自分では気づかなかった長所を教えていただけました。
「他人と話すときに目が合っておらず、第一印象が悪い」と、ある企業の面接中に指摘されて、悪いクセを直そうと意識することもできました。
面接がひと段落ついて何の気なしに見上げた夜空に、オリオン座がハッキリと見えていて、明日もがんばろうという気持ちになれました。
つらいことも、悲しいことも、たくさんありましたが、総じて「楽しく」できたから、最終的に内定をもらうことができたと思います。
グランマや、アリシアさんのいう「人生で与えられたものを楽しむこと」は、これからも自分の軸のひとつになっていくだろうと考えています。{/netabare}