◇fumi◆ さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ハイテンションギャグアニメは愛と共に斜め上に着地する。
2010年放送のテレビアニメ 本編13話+1話+1話(Blu-ray Boxのみ)
原作脚本 麻枝准 監督 岸誠二 総作画監督 平田雄二 制作 P.A.WORKS
この年は00年代総決算ともいえる作品がいくつか放送されて物議をかもしましたが、
その最大のものが「けいおん!」と本作だと思います。
00年代アニメ界をにぎわせたkeyと京アニによる作品群は終了し、
新興制作会社P.A.WORKSと麻枝准が組むというサプライズが起こったのです。
とは言っても、前作「カナン」で奈須きのこと組みながら爆死という現実もあり、
keyファンもハラハラものだったと思います。
瀬戸の花嫁で高評価を得た岸監督ですが、相性の問題に不安を抱えていました。
放送時は賛否分かれ、と言うか相当な叩かれ方をして、
某2chでは、期間ワーストダントツ1位、年間ワースト、ワーストアニメ殿堂入りだったと思います。
すごいですね。
売れなかった名作「true tears」で悲劇的アンダーグラウンド制作会社と言われた、
PAは一気に名が売れ、すべてのアニメファンに認知されることとなった作品でもありました。
ハイテンションギャグは岸監督の得意とするところで、
麻枝氏の予想を覆し続ける展開と共に良くも悪くも視聴者を虜にしたのでした。
PAの1,2作はゲーム原案アニメでしたが、このオリジナルアニメの大ヒットにより、
「花咲くいろは」「TARI TARI」を始めとするPAオリジナルアニメがこの世に出たともいえると思います。
本放送から7年半の月日がたち、今回14話まで再視聴して、
そのパワーと衝撃力が全く落ちていないことに驚きました。
短期間で一気見したので、キャラたちの行動原理が出鱈目ではなかったことが初めて分かりました。
いまだに突っ込みどころ満載と言うところも凄いです。
やはり、ゆりっぺCV櫻井浩美 と 天使CV花澤香菜の2大ヒロインの存在感が半端ないです。
はるるんこと櫻井浩美こと風音さんはエロゲベテラン声優ですごい貫禄です。
花澤さんの異次元から聞こえてくる人外的声色はこの作品が最高峰かもしれません。
物語はこれ以上ないくらい出鱈目に展開しますが、
麻枝さんがかかわってきたアンダーグラウンド文化の総決算ともいえるべき力作で、
日本の管理された文化を吹き飛ばし、その後のなろう系などを引き上げる原動力になったとも考えられます。
2度目の視聴で私が個人的に得たものは大きかったようです。
この作品には破壊と創造がありました。
2010年に造られるべくして造られた総決算にして未来志向のこれ以下ない酷い大傑作。
これは観なくては駄目な作品ですね。
過大評価にもほどがあると言いつつ平均点より上になってしまいました。
最も「はあ?」ってキャラの「チャー」さんについて。
ゆりが「死んだ世界戦線」を立ち上げるように促した人物。
高校生で結婚していたが、親に反対され駆け落ちしたところチャーだけが死後の世界に来た。
声優「風音」とは、
2002年「闇の声Ⅱ」でデビュー。翌年「闇の声Ⅲ」ではメインヒロイン。
大量のエロゲに声を当てたが、2007年「あかね色に染まる坂」からはメインに抜擢されまくりで、
エロゲーマーからはどのゲームにも風音が居る、と言われたほど。
AB制作年でさえ、16作のアダルトゲームのメインヒロインだった。
ペースは落ちたが現在も活躍中。