「魔法少女まどか☆マギカ(TVアニメ動画)」

総合得点
90.9
感想・評価
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ランキング
45
ネタバレ

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

少女の祈りは時と因果と重力を超えて

2011年放送のテレビアニメ 全12話

原作 新房昭之 虚淵玄 蒼樹うめ シャフト
監督 新房昭之 構成 宮本幸祐 脚本 虚淵玄 
キャラデザ 蒼樹うめ 岸田隆宏 音楽 梶浦由記
魔女デザイン 劇団イヌカレー 制作 シャフト

舞台は見滝原市と言う地方都市、現代に近い時代できちんと都市計画されているようです。
小川の水門、大規模風力発電、工場地帯などが見えます。
主人公たちは見滝原中学校に通う。

鹿目まどか(悠木碧) 主人公 中学2年生
暁美ほむら(斎藤千和)    中学2年生
美樹さやか(喜多村英梨)   中学2年生
巴マミ(水橋かおり)     中学3年生
佐倉杏子(野中藍)      中学2年生
キュウべえ(加藤英美里)   インキュベーター

魔法少女と言う日本のアニメで発明された存在を極限まで研究した作品。

過去に製作された数十本の魔法少女アニメシリーズの延長にありながら、
様々な要素がプラスされている。
それは段階的ではなく、この作品で一気に行われたもの。
過去作品にありがちな、贔屓された主人公達という考えは捨て去られ、
すべての登場人物が同様に弱いものとして描かれるのです。
画面とは裏腹に、物語性よりもリアルが追及されるが、
その先にある真のカタルシスへ向かう必要条件だと思う。

12話で完結する物語で、一点の狂いもない精密細工のようなストーリーを堪能できる稀有な作品。

因果律など上級科学の説明には問題はない。保障します。

伝統的なドラマ内魔法(奥さまは魔女、魔法使いサリー、魔女っ子メグなど)と言うのは、
ちょっと因果律の変化を使うもので、テーマとの一貫性が見られる。
また、広義の魔法少女の引用も多く、最終兵器彼女(戦闘兵器の使用)やエルフェンリート(弱い人体への攻撃)も取り入れたと思われます。

原作にゲーム関係者がいることで、セーブポイントという、
ゲーム以外では通用しない方法論が普通に通るという設定ですね。

従来のセカイ系と違うところは、
ここよりも広い範囲を扱える科学知識が制作側にあるということ。
「伝説巨人イデオン」などもすでに常識化したクリエイター達の実力である。

当時の才能ある人たちが結集した名作で間違いないが、
これですべてでは無いだろう。
同時期の作品群を見れば、日本の物語創作力に誇りを覚えるべきだし、
現代まで続いていることも確認できるだろう。

 {netabare}この作品の最初の宇宙は、少女の呪いがエントロピー増大を防ぐパワーとして用いられている世界です
まどかが因果律となった宇宙は違うシステムで回っている宇宙です
これは物語なので、証拠とかそういうものではありません{/netabare}

因果律とは縦横高さ時間に続く第五次元の要素であり、
時間によって構成されるパラレルワールドのさらに上の次元のパラレルワールドを構成します。
人間は一つの因果律の中にいるように見えますが、空想には別の因果律が存在しています。

まどマギシリーズはこの作品から劇場版の、
「前編 始まりの物語」「後編 永遠の物語」「新編 叛逆の物語」と続きます。
前篇、後編はこの作品とほぼ同じストーリーですが微妙なずれ(パラレル)を生ずることによって、
新編につなぐと言う高度な展開を見せます。
全ては魅力的で完成度が高いことによって可能となったものです。

「現在においても一筋縄ではいかない大変な作品」、
と言うことでこのレビューを終わらせていただきます。

投稿 : 2018/03/17
閲覧 : 593
サンキュー:

66

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