oxPGx85958 さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
意欲的な実験的作品
2017年冬の問題作『けものフレンズ』と制作会社が同じでスタッフも被っている作品ということで1期と2期を見てみました。実は以前に挑戦して第2話ぐらいで挫折していたのですが、あれからアニメ制作や声優に関する知識が若干増えており、なんとか続けて見ることができました。
率直に言って、この実験は大成功しているとは言いがたいけれども、第2期の後半ぐらいになると制作陣も出演者たちも慣れてきたせいもあるのか、そこそこ見られるようになってきます。そこまで練ってから制作に入れよ、と言いたくなるわけだけれども。
で、本作の実験とは、声優のプレスコの「自然な会話」にCGで絵をつけて動かす、という試み。本作を最初の方から見ていくと、台本のあるドラマの部分と「自然な会話」の部分が、ポジティブな相乗作用をもたらしているというよりは、互いの欠点を暴き出しているような感じがしてきます。
自然な会話の部分があるゆえに、台本部分のセリフ回しの不自然さが際立つ。そして、台本部分が整理されすぎているせいで、アドリブによる会話のつまらさが目立つ。
これが作り手の意図だったのかどうかは、よくわかりません。メタ的な批評として、これをわざとやることもありえると感じます。いま放映中の『けものフレンズ』では、次回予告のセクションで、ペンギンたちがこの「自然な会話」をやっていて、本編との対比が強調されているけれども、あのぎくしゃく感もわざとなのかもしれず、そうでないのかもしれない。
そういう深読みをさせる、またいろいろと考えさせてくれる作品でした。この実験精神には敬意を表したい。ただ、「女性声優たちのバカ話」に対する耐性がないと、とてもじゃないけど見続けられない作品であることはたしかです。