赤緑 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ロボットよりも宇宙SF要素が多めで楽しめた
私はロボットものはあまり観ないので、これが一般的なロボットアニメなのかどうかは分からない。敵はロボットではないし、ロボットの種類は少ないので、ロボット好きには物足りないかも知れない。
それよりも、私は宇宙SFがわりと好きなので、本作のSFの設定が面白くて楽しめた。
(ところで、「宇宙SF」という言葉は普及してないんだよね。「スペースオペラ」という言葉はあるが、これだとちょっと意味が変わってしまう。)
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青年漫画誌連載のSF漫画が原作。原作の宣伝文句によれば、「ロボットSF」であるらしい。
それに加えて、ややハーレム寄りのラブコメ要素があり、ラッキースケベも少しある。
あと、少しグロもある。
原作は未読。
ガウナと呼ばれる外宇宙生命体の攻撃により太陽系を失った人類が、「播種船」と呼ばれる世代宇宙船で移民先を求め、依然ガウナの脅威に晒されながら航海を続けているという設定。
超越的な文明の技術、いわゆるオーバーテクノロジーらしきものを切り札に用いるなど、アニメでもお馴染みの設定が見られる。
(それ以外にも『エヴァ』に似た設定が散見された。エヴァだって何かに似ているのだろうが、ロボットアニメ詳しくないから分からない。)
雰囲気は全体的に静かで少し暗めだが、宇宙は静かな方がリアルだしイイと思う。
物語は、俯瞰的に描写され淡々と進む。各人の心情の描写はあまり深掘りはされない。
やや強引な展開が目立つが、これはドラマでなく、外から事件を追っていくタイプの話だと思えばそれほど違和感は無い。
作画は、人物を含めほぼフル3DCG。
キャラデザは、流行のデザインと原作に近いものを50:50に混ぜたものをベースにしたとか。ちょっと独特のデザインなので、慣れるのに少し時間がかかった(歳を取ると適応が遅くなるからそのせいかも)。ヒロインたちが可愛く見えるようであれば問題ない。だが、どうしても不気味の谷の不安はつきまとうし、人物の描き分けにやや難がある。顔が似ているかどうかが関係するシーンが出てくるので、人物の顔が見分けられないと、視聴者側にはどういうニュアンスなのかが伝わりにくい。
背景は、舞台となる播種船内の建築物が良く描けている。
宇宙のシーンや戦闘シーンは、さすが3Dって感じ。
キャラは、複雑な心情を描写するタイプの物語ではないので、分かりやすい。
イザナの変顔がイイ。
《総合評価》
12話と短いため、駆け足だったが、その範囲内で作品のエッセンスをアニメで表現するのに成功している。
SF世界、グロ、3D作画など、人を選ぶ要素も少なくないが、個人的には高評価。
物語:
設定が面白かった。
話はダイジェストっぽくもあったが、話数の都合でやむを得まい。
作画:
少し甘めに、4.4-といったところか。
前述したとおり、3DCGで安定しているが、人物の描き分けがあまり良くない。
風景は素晴らしい。
声優:
目立って悪いところは無かった。
旧アニメ攻殻機動隊の面々が、メインキャラではないものの、出演されているのが嬉しい。
阪さん、さすがにお歳だな。
音楽:
OP曲は、『蒼穹のファフナー』などで知られるangela。作風に合わせてか、ちょっとテンション低めの曲。
ED曲は、キタエリが作詞と歌を務めた。
劇伴も合わせて、雰囲気に合っていて良い。
キャラ:
それほど深い人格を与えられてはいないようで、分かりやすい。
造形のこともあって、やや入り込みにくいところもあるかも知れない。
少なくとも私は愛着が湧いた。