丸米 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
懐かしい。自分を振り返ることに繋がるかもしれません。
まだ某アニメ配信サービスを利用して見ている途中なのですがレビューさせていただきます。
正直なところ、このアニメに関してはリアルタイム時には見向きもせず、利用しているアニメ配信サイトでアップロードされていても後回ししていました。
私にとっては、パット見では単にアブストラクト寄りな演出で、表面上の芸術性にかまけているような作品に見えていました。しかし、見ればみるほど幼少期の思い出といいますか、かつてこんなことがあったのだ、なぜそれを忘れてしまっていたんだろうという思いが次々とこみ上げてきました。
昔大好きだった絵本のお話、昔大好きだった小説のお話、いつからか子供っぽいと恥ずかしがっているうちに忘れてしまっていました。
本当に個人的な話で恐縮なのですが、私が大好きだった親戚で、認知症になって自分のことを忘れてしまった人がいます。結局思い出すことはなく、そのまま亡くなってしまったのですが、私にとって一番辛かったのは亡くなってしまったことではなく、私に関する記憶がなくなってしまったその人に初めて出会ったことでした。その辛さからか、「それくらい」で傷ついてしまった自分の弱さへの恥からかはわかりませんが、そのときのことを長らく忘れていました。
とある回のお話でそれは思い出されたのですが、この他にも「ああ、こんなことがあったなぁ」「こんなことを想像していたなぁ」ということが多々ありました。
変な宗教の勧誘みたいで自分でも笑ってしまいますが、この作品はもしかしたら忘れていた自分の過去を思い出させてくれる、もう一度それに向き合わせてくれる、そんな作品になるかもしれません。みんながみんなそうなるとは言えませんが、少なくとも一名はそんな思いを抱くことを出来たことをご報告させていただきたいと思います。