Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「傍観者」が足を踏み入れたのは、希望と死線揺らめく世界…
この作品の原作やテレビドラマは未視聴です。
あにこれでの総合得点の高い作品なので、タイトルくらいは知っていましたが特に理由が無いにも関わらず、何故かこれまで視聴をずっと先延ばしにしてきました。そして今回ようやく視聴に漕ぎ着ける事ができました。
この物語の主人公は中学2年の天野雪輝…携帯電話に目の前の出来事を日記として記録する傍観者を決め込んでいますが、本当は傷付くのも傷付けられるのも大嫌いな臆病な性格の持ち主…
だから人との接触を極力避け自称傍観者としての生活を続けていたのですが、ある日を境に雪輝の置かれている状況が一変する事態が発生するのです…
それは雪輝の携帯に絶対表示される事のない…未来の出来事が書かれるようになったのです。
でもそれが一度入ったら最後…決着が着くまで決して抜け出す事のできないゲームの始まりでした。
ルールは簡単…雪輝と同じように未来の表示される携帯電話を持つ人物12名で殺し合い最後まで生き残る事…
争いが苦手な雪輝は圧倒的不利…かと思っていましたが、クラスメイトで同じ未来日記所有者である我妻由乃と行動を共にする事になり…物語が動いていきます。
未来日記は一つとして同じモノはありません。従って、予知される未来もバラバラ…
そのため選ばれたゲーマーは断片的な情報を補完しながら、自分自身で未来を選択していく事になります。
しかも未来日記を持っているのが誰かすら分からない…そんな五里霧中な状況の中で、誰かが動けば何かが起こる…そして時にはその行動が自分の…そして誰かの死亡フラグを立てる事に直結している…
最後まで生き残った勝者にのみ与えれれる「夢」…
生き残りたいと渇望して行動する理由がみんな異なるのも面白さに拍車をかけています。
こんな緊迫した展開が連続するんです…見ていて夢中にならない訳がありません。
この作品の面白さと魅力は混沌としたデスゲームの行方そのものです。
でもこの作品の面白さは柱をもう1本加えた2本立てになっていると思います。
もう1本の柱…それは主人公である雪輝とヒロインである由乃がどうなっていくのか…これは絶対に外せません。
家族団らん…幼い雪輝と由乃が願うのは決しておかしくありません。
でも運命が彼らの願いを捻じ曲げるんです…
抗う事すら許してもらえない圧倒的な力で彼らの心をへし折りにくるんです…
そんな中、由乃は自分の心の中で折り合いを付けてくれる唯一の希望…雪輝に出会います。
「私がお嫁さんになってあげる…」
「大人になったら…ね」
「…うん」
容姿は抜群・・・好きな人に見せる笑顔も仕草も可愛い由乃…
普通に考えたら容姿も普通で臆病な雪輝が相手にされる筈がありません。
それでも由乃は献身的且つ盲目的に雪輝に対して尽くすんです…
「ゆっきー」
物語の中で何度も聞いた台詞です。
名前一つ呼ぶのにも彼女の愛情が感じられます…
「私がゆっきーを守ってあげる」
このスイッチが入ったら目的を遂げるまで彼女は決して止まることはありません…
例えそれがどんなに残虐非道な事でも…
由乃にとって何物にも代えられない愛おしい人、それが雪輝…
そこまで想ってくれる人って中々いないと思います。
だから雪輝には由乃を幸せにするのが最優先事項…
の筈なのに、時折見せる由乃の視線がその思いに警鐘を鳴らすんです。
由乃の視線のその先…彼女の瞳には何が映っているのか…気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
愛は願いを超越する事ができるのか…
ずっと縋って生きてきた願いが愛を上回るのか…
でもそんな事どうでも良いや…と思えるほどの展開に私の涙腺は全く役に立ちませんでした。
分かっていたけれど、ラストは寂しさが否めません。
だから微かに聞こえた声が希望の印に昇華すると信じたいです。
由乃に対する評価は賛否あると思いますが、私は嫌いじゃありません…
むしろかなり好きです…ここまで一人を想う事って難しいと思います。
多感な時期ならなお…でも彼女の想いに揺らぎが微塵も感じられないんです。
こういう真っ直ぐな気持ち…自分の気持ちを包み隠さず話せる強さは大好き…
きっと自分に無いモノ…だから憧れもあるんでしょうけれど…
オープニングテーマは、妖精帝國さんの「空想メソロギヰ」と飛蘭さんの「Dead END」
エンディングテーマは、飛蘭さんの「Blood teller」と精帝國さんの「filament」
2クール26話の作品でした。
ラストに寂しさと一筋の希望を感じて終幕したのは続編があるから…?
と思って調べてみたら、「未来日記リダイヤル」という後日談を描いた作品があるようでした。
アニメDVD同梱コミックと記載されていたので見たければコミックを…というよくある展開なのかと思って色々調べてみたら一般にレンタルされていたのでホッとしています。
引き続き、「未来日記リダイヤル」を視聴したいと思います。