めいろ* さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
1人だとちょっとおっかないけど、一緒だと、ちょっと大丈夫だけど。
割と誰でも知っているコメディ系アニメの代表作、日常です。
終始ギャグの止まらない、まさしく日常系のアニメ。しかも作品名が”日常”です。本質が日常にあるということを作品名から汲み取ることが出来るので、非常に分かりやすいという点でもコメディ系の作品としては大正解です。
さて、僕は他のレビューをあまり見なかったりする人間なので、実は本作品の評価が良いのか悪いのかという大衆的な意見を全く知識として持ち合わせていない事を多少は恥じるべきなのかもしれません。
しかしながら、そういった大衆的な意見は時に自身の正当な評価に水を差す場合があるので、これも多少は胸を張ってという事で。
冒頭で終始ギャグの止まらない作品だと言いましたが、実は本質的に言うと語弊があります。
そして、そもそも本作品がコメディ系のアニメなのかと言うところにも、若干の齟齬があるように思うのです。
と言うのも、コメディ系のアニメという概念に押し込めてしまうと、コメディの中に日常があるような、日常が少し枠の端に追いやられてしまうような感覚が残ってしまうものですが、本来、これは日常の中にコメディというものがあるものです。
ここで一度、題名に回帰します。
「1人だとちょっとおっかないけど、一緒だと、ちょっと大丈夫だけど。」
と言うのは、はかせの台詞ですね。
僕はこのはかせの掛け合いが本作品で非常に好きな傾向にあります。
子供らしい正直なところと、子供らしい気遣い方や、でもやっぱり子供だから、わがままで自分勝手。
面白いくらい子供で、それが変にこの世界とリアリティが一致しているような、それがミスマッチに感じない、自然な感覚として踏襲していることがなんとも素晴らしいのです。
日常の中には、時に哀しい事も、上手くいかないことだってあります。
楽しい事だけじゃなくて、何だか落ち着かず、イライラしたり、でもそれが日常というものです。
本作品の主人公の一人であるみおちゃんが、作中でこう語っています。
「日々私達が過ごしている日常は、実は奇跡の連続なのかもしれない。
たぶん。いやきっと、そうなんだと思う。」
日常というのは、常にある僕たちの暮らしの中にあります。
それが奇跡の連続なんて表現、素敵だなあって思うのです。
面白おかしく笑って、時には泣いたり、躓いたり、でもそれが、日常。
日常と言う名の奇跡を群像化したら、日常になった。