めいろ* さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
一番になりたい、でも捨てられるくらいなら、二番でもいい。
たまにはこういう作品をレビューしたいじゃないですか。
いいえ、こういう作品というのは別に客観的な話では無くて、もちろん本質的な話です。
僕はいつだって、そういうお話です。
なんとなく、こういう作品あるよね。
というのは、先入観だと僕は思っています。
と言うのは、いつだって作品と言うのは独自性のものであって、例えばストーリーにおける起承転結が、
転校生が来る
いきなり喧嘩する
ふとした事で好きになる。
両想いでエンド。
だとして、これに当てはまる作品全てが「こういう作品」でまとめられてしまうのだとしたら、やはりそれは先入観だと思います。
本作品は4人の少女が一人の少年を好きになる、いわゆるハーレム作品です。
実は昨今のハーレム作品はレベルが高いのではないかと僕は思っているのですが、どうでしょうか。
本作品の大きな特徴になりますが、ヒロインである真涼には偽物(フェイク)の性質があります。
主人公である鋭太の偽りの彼女として居座り、常に彼女の心情や発言が嘘なのか本当なのか誰も分からないまま作品は進行していきます。
誰も、分からないのです。
本人すら、それが本物の感情なのか、偽物の感情なのか。
ここで一度、題名に回帰します。
「一番になりたい、でも捨てられるくらいなら、二番でもいい。」
これはハーレムを形成する4人の少女の中では恐らく一番地味な少女、姫の台詞です。
この台詞を聞いたとき、とても感動したのです。
真っ直ぐで、彼女の本心全てが詰まった台詞です。大好きな人の一番になりたい。だけれど、それを目指して離れてしまうくらいなら、二番でも良い。
姫のキャラクターに沿った、素晴らしい素直さ。純真無垢で、なんとも彼女らしいです。
さて、ここではっきりとこの作品を理解することができます。
つまるところ、これは”偽物”と”本物”のお話です。
どれが偽物で、本物なのか、どっちが良くて、どっちが悪いのか。
偽物を演じてきた真涼は、本物との対比に苦しみ、自らが偽物の陳腐な存在だと卑下します。
「何度やり直しても同じよ、ただひたすら歪にチグハグになるだけ。
偽物は、どこまでいっても偽物よ。」
偽物なのか、本物なのか。
彼女たちに答えを出すのは、誰なんでしょうね。
因みにですが、僕は断然に、あいちゃんが好きです。